家庭経済の耳寄り情報

2016年10月10日

3つの税制優遇が受けられる!!【個人型確定拠出年金】

 2017年1月から専業主婦・公務員、自営業、企業年金がない会社員など推計2700万人が個人型の確定拠出年金を利用できるようになります。

 確定拠出年金とは、将来の公的年金の上乗せを目的とし、自分で掛金を決め運用商品を自分で決められる年金のことをいいます。つまり自分が将来受け取る年金の増減をすべて自己責任で行う制度です。老齢給付金は原則60歳から年金または一時金で受取ることができます。障害給付金の場合は、本人が年金または一時金で、死亡一時金の場合は、遺族が一時金で受取れます。

 確定拠出年金のメリットとして3つの大きな税制優遇が挙げられます。

一番大きなものは、支払う掛金は全額所得控除され、所得税や住民税が軽減するなどの税制上の優遇措置があります。
自営業者は年間816,000円、企業年金のない会社員・専業主婦等は年間276,000円、公務員は年間144,000円となっており、毎月の掛け金は、最低月5,000円からで年1回掛け金の変更は可能となっています。特に自営業者の年間816,000円(国民年金基金の掛金もしくは国民年金の付加保険料の合計を含む)の所得控除は、年間所得500万円の場合、244,800円の節税効果になります。年間掛け金に対する節税額の目安は、「掛け金額×税率」となります。例えば年収250万円の場合、毎月5千円ずつ拠出して年間6万円とすると6万円×15%(所得税・住民税)=9,000円の節税になります。

次にNISAでは取り扱えない預貯金が運用対象になっている点です。これにより自分に合った運用商品を選択することができます。また運用期間中の売買益・配当金・利息等は非課税となります。

3つ目として、60才以降受取時に給付金を年金で受取る場合には「公的年金等控除」、一時金で受取る場合には「退職所得課税」が適用されます。*下段参照

デメリットとしては、個人型確定拠出年金はあくまで年金なので、60歳までは途中で解約して現金で受け取るということができません。毎月数百円の口座管理手数料が掛かること(金融機関によって異なります)や運用指図者になっても維持コストが掛かる点があります。一番大きいのは、自分で運用する事ではないでしょうか。
3つの税制優遇を受けられる年金制度は魅力的です。
だからこそ「自分の将来のために金融知識を身につけることをお勧めします。」

当組合では、金融商品取引のお手伝い(金融商品仲介業)を行っています。
KFPの金融仲介業は、特定の証券会社に属さないため、独立・中立的な立場で、お客様にアドバイス致します。

《上図をクリックすると拡大します》

例:基礎年金78万円+確定供出年金受給額200万円の場合、年間120万円の公的年金控除となります。

*一時金・・・退職所得として扱われます。
退職所得の計算
(収入金額―退職所得控除額)×1/2

例:30年間運用受給額2000万円の場合、800万円+70万円×10年=1,500万円が控除され、(2000万円―1500万円)×1/2=250万円となります。

滝田 知一  2016年10月10日