家庭経済の耳寄り情報

2017年02月28日

増える中古住宅 ~家の価値を維持するリフォームは購入後の費用対策に効果的~

 日本は少子化が進み人口の減少が止まらず、住宅戸数は必要となる世帯数を上回ってきています。空き家や中古物件も増えてきていることから、国土交通省は中古住宅の流通活性化を進めており、銀行では中古住宅もローンを利用しやすくなってきています。

 最近ではリノベーション住宅などが話題となり、古い住宅でもリフォームすればきれいに生まれ変わるということが理解されてきており、若い世代を中心に田舎暮らしを希望する人や、退職後のセカンドライフを田舎で暮らしたいと考える人も増えてきています。
「古民家」のリフォームなども雑誌やメディアで取り上げられており、新しい住宅にはない大きな梁や素朴さに魅力を感じる人も増えてきているようです。ただ、好きなようにリフォームすればよいのではなく、下記のように家の価値を維持できる住宅にリフォームすることが大切なポイントになります。

【家の価値を維持するためのポイント】
・日本は地震が多いため、新耐震基準を満たす耐震性の高い建物にする。
・屋根や壁などは耐久性に優れた素材を使用することで、劣化しにくくメンテナンス費用を軽減できる。
・壁や窓・天井・床などに断熱工事をして夏は涼しく冬は暖かく一年中光熱費を抑える。
・廊下や階段・トイレやお風呂、玄関などにも手すりをつけ、歩行が困難になっても手すりにつかまり行動しやすくしておく。
・段差がないバリアフリーの部屋や広めの廊下にするなど、車いすでも通る事ができる様に設計しておく。

 新築購入時と同様に、購入後のリフォームやメンテナンス費用は購入時にあまり考えてないことが多くありますが、およそ10年毎にメンテナンス費用が必要になります。
今だけでなく将来を考えて設計することで、少しでもリフォーム費用を軽減できる様にしておく事や、将来売却する場合も想定し家の価値を少しでも落とさないメンテナンスをしておくことが大切です。
※中古住宅購入時の優遇制度や省エネ関係の優遇制度などもあり、自治体によっては耐震化事業や空き家解体工事などの各種助成(補助)金制度などもあります。

 さて、色々考え購入した“我が家”ですが、購入時やリフォーム時の費用だけを考えればよいのでしょうか。
住宅取得によるローン破綻を起こさないために、生活にかかる費用や将来想定できる費用なども確認しておくことは重要なことです。

 あれこれ悩んでいるうちに購入時期を逃してしまわないように、まず住宅セミナーに参加しFPに相談してみる、など一歩踏み出してみてはいかがでしょう。
家族や環境にあった住宅の購入(新築・中古・一戸建て・マンション)やローンの支払い、購入タイミングなど、これからの生活に必要な費用の参考にもなります。
目指す未来はそれぞれ違います。自分の(家族の)将来をシミュレーションし、未来に向けて資金計画を立てることが、安心して自分に合った家探しが出来る第一歩となるでしょう。

高野 博子  2017年02月28日