家庭経済の耳寄り情報

2018年02月20日

住宅取得に際し、資産価値のある住宅を探すには

 新築の住宅を取得する場合でも、既存住宅(中古住宅)を取得する場合でも、住宅を財産と考えれば資産価値のあるものを選びたいものです。人口が減少していく今後や、建物の老朽化を考慮して資産価値の落ちない条件とは何かを考えてみましょう。


1.資産価値の落ちない家の条件は「立地」

(1)交通の利便性が高いこと
最寄駅から近いことが重要です。複数の路線が使える都市へのアクセスが良いことも望まれます。

(2)生活の利便性が高いこと
商業施設や病院などが充実し、生活に必要な施設が充実していれば好みに合わせて選べるし、暮らしが豊かになります。

(3)街並みが綺麗で、快適なこと
街区や歩道が整備されて緑が豊かで、散歩したりウインドショピングを楽しめる街なら資産性が落ちにくいでしょう。

(4)将来の発展性が見込めること
街並みの保存や再開発が進み、新駅ができるなど、人が集まって活気があって、将来の発展が見込める地域であるとよいですね。

 国の住宅政策で今後10年の指針である「住生活基本計画」では、既存住宅(中古住宅)の質の向上と流通を促進して、「資産として次の世代に継承されていく新たな流れを創出する」ことを掲げています。その一環として既存住宅の負のイメージを払拭して「住みたい」「買いたい」と思わせ、既存住宅を選びやすくする「安心R住宅」制度が創設されました。


2.価値ある既存住宅を選べるようにする「安心R住宅」の3つの条件

(1)基礎的な品質があって安心
新耐震基準に適合していて、インスペクション(建物状況調査等)の結果構造上の不具合や雨漏りがない住宅であること。

(2)リフォーム工事済で綺麗
リフォームを実施していて,きれいな既存住宅であること。もしくはリフォーム前の場合、リフォームプラン(参考価格を含む)があること。外装や主たる内装、水まわりの現況を写真で確認できること。

(3)情報が開示されていてわかりやすい
建築時の情報やメンテナンスの状況、保険や保証、省エネ設備などの情報を記載した書面があり、希望すれば確認できること。

安心R住宅のRとは、Reuse, Reform, Renovation をいいます。


<参考>住宅メーカーが共同で実施する独自基準「スムストック」の3条件

1.耐震性能
「新耐震基準」をクリアしている安心して住める住宅であること。

2.住宅履歴 
新築時の図面やこれまでのリフォーム・点検などの記録が管理・蓄積されていること。

3.長期点検・メンテナンスプログラム
建築後50年以上の点検・メンテナンスの対象になっていること。

この3条件を満たすと「スムストック」と認定しています。

佐伯 好也  2018年02月20日