家庭経済の耳寄り情報

2019年03月10日

あなたもキャッシュレス化でお得に

 新年度予算の審議中ですが、私たち消費者にとって大きな関心事は10月からの消費税アップでしょう。
まだ予算が成立していませんからどうなるかわかりませんが、消費減少による景気悪化を防ぐため、消費税を10%に上げるのに伴って、上昇分をポイントで還元する施策が打ち出される可能性が高まりました。

 経産省の2017年8月の資料によれば、日本のキャッシュレス比率は約18%で、中国の55%、アメリカの41%と比べると日本のキャッシュレス化は遅れています。
現金社会は非常にコストがかかっているので、政府は2020年までにキャッシュレス比率を2倍の40%を目指す方針です。
そこで、消費税還元ポイントとなる対象をクレジットカード、電子マネー、コード決済(QRコード決済、バーコード決済等)にすることでキャッシュレス化を進めようとしています。
現金決済だとポイント還元が受けられません。

 ポイント還元のメリットを受けようとする人はキャッシュレス決済をするしかありません。
ポイントは中小小売、飲食、宿泊などで5%、コンビニ、外食、大手系列チェーン店などで2%になるようです。
ただし、顧客の囲い込みのための電子マネーはポイントを得られる販売店に限定されますから、加入店の多いキャッシュカードでの支払いがお勧めです。

 総理府の2018年12月の家計消費支出(2人以上の所帯)の内訳を見ますと消費支出金額は329,271円、食料品は98,805円で30%を占めています。これをすべてキャッシュカードで決済すると5%ポイント還元で4,940円、2%還元では1,976円になります。食料品以外にもキャッシュカードで買った場合にポイント還元されるものがありますから決してばかにならない金額です。消費者は、通常の決済ごとに付与されるポイントに加え、キャッシュレス決済に係るポイントが付与されることとなります。実際には8%から10%への増税分について、ポイントを発行するカード会社などを通じて、会社の負担分を国が補助することになります。

 もう一つ注意したいことは、クレジットカード会社や決済会社が発行するポイントは、有効期限があり失効するものがほとんどです。大手のポイントサービスだけでも年間500億円分のポイントが失効しているといわれています。失効したポイント分は、消費者がその分の損をし、決済会社は丸儲けになる仕組みです。
ポイントはお金と同じという意識を持ち、くれぐれも失効しないうちにポイントは早く使いましょう。政府のポイント還元は消費税アップの消費冷え込み対策なので、期間は10月から9か月間の限定のようです。

 高齢者の方は 「カードでの支払いはなんとなく怖い」 「現金こそが安心だ」 といった理由でなかなかカード支払いには抵抗があるようですが、今回の制度施行をきっかけにキャッシュレス化に踏み出してみてはいかがでしょうか。 現金派の人は得べかりし利益を失う可能性が高いです。今から、キャシュレス決済の準備をしておきましょう。

大倉 和久 2019年03月10日