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家庭経済の耳より情報

2014年04月10日

豊かな老後の落とし穴

 私達ファイナンシャルプランナーが個人相談において、リタイアメントプランニングや老後生活設計のご相談を受けるときに、次のようなことを提案いたします。
我が国の平均的なサラリーマンが65歳になって受け取る厚生年金は約22万円から23万円と言われています。また、生命保険文化センターの調査によるとゆとりある生活を送るには約37万円が必要と言われています。これらを年収でみると
  ゆとりある生活は440万円  (1)(37万円×12月)
  平均的な年金額276万円   (2)(23万円×12月)
(1) -(2) =164万円(月額14万円)が不足いたします。
ゆとりある、豊かな老後生活を送るには月額で約14万円不足いたします。豊かで安定した生活の為には、不足額を補う自分年金を作ることを提案していますが、昨今の状況をみていますと、この豊かな老後生活の設計に落とし穴があることが分かりました。

 現在受領している厚生年金からは、①所得税、②住民税、③介護保険料が差し引かれています。この差し引かれている税金や社会保険料の負担額は当年度および前年度の所得によって計算されます。
(1)所得税は
   276万円の場合  276-106.5(公的年金控除65歳未満)=169.5
           169.5×5%=8.475万円
           276-120(公的年金控除65歳以上)=156
           156×5%=7.8万円
   440万円の場合  440-144.5(公的年金控除65歳未満)=295.5
           295.5×5%=14.775万円
           440-144.5(公的年金控除65歳以上)=295.5
           295.5×5%=14。775万円
   となり、89.4%(65歳未満の場合14.775/7.8)の増加となります。

(2)介護保険料は各市区町村により異なりますが、概ね
   276万円の場合   第8段階で年額73,350円
   440万円の場合   第9段階で年額88,020円
   となり20%の増加となります。

(3)国民健康保険料は各市区町村により異なりますが、概ね
   276万円の場合    378,500円(所得割、均等割、平等割の合計)
   440万円の場合    603,180円(所得割、均等割、平等割の合計)
   となり59%の増加となります。

 このように税も社会保障の負担額も年収の増加によってかなりの負担増になり、実質的な収入減になり、ゆとりある生活には縁遠くなります。必ずしも自分年金を作ってゆとりある生活を目指そうとすると、税金や社会保険等の負担が増加することになり、ゆとりある生活を願っても返って窮屈になりかねません。これが落とし穴です。
この落とし穴に落ち込まない様にするためにはどうしたら良いでしょう。

●先ず。自分年金を作ることに慎重に対処することです。
リタイアメントプランを慎重に作成し、税や社会保障の負担増に耐えられる年金を作ることです。
慎重なキャッシュフロー表の作成が必要となりファイナンシャルプランナーに相談しましょう。

●退職金や、それまでに貯蓄した資金を年金化しないで、一時金で保有し資産運用に心がける。高齢者の資産運用は安全第一で、慎重かつ堅実に行う必要がありますので、しっかりした経験豊富なファイナンシャルプランナーの知恵を借りましょう。

佐伯 好也  2014年04月10日