家庭経済の耳寄り情報

2023年12月10日

資産運用は、いくら貯めることを目指せば良いの?

 2024年から新NISAが始まります。
「年間の投資上限額が引き上げられる」
「非課税で保有できる期間が無期限になる」
など、制度としての使い勝手が良くなることもあり、これを機に、資産運用を始めようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。

資産運用を行う目的として、「将来の老後が不安」という声を聞くことが多いです。

とは言え、闇雲に資産運用をして、お金を増やすことだけを考えるのはダメです。あなたに合った「老後に向けた目標」を決めることが大切だと私は考えています。
そこで、資産運用の「目標設定」について、ヒントになる考え方をお伝えします。

【将来の支出見込みを考える】

 「老後の支出がいくらくらいになるかなんて分からないよ・・」と言われてしまいそうです。
たしかに、将来のことが分からないこそ不安な想いになるのですが、イメージとして持っておくことは必要だと私は考えています。

そこで、生命保険文化センターが行った調査を参考にお伝えします。
その調査によると、老後の最低日常生活費の平均は、ご夫婦2人の場合約23万円と言われています。
また旅行やレジャーなども含めた、ゆとりある老後生活費の平均は、約37万円と言われています。

これはあくまでも平均で、これより多い方も少ない方もいらっしゃいますので、あなたはどうなのか?どうなりそうか?を資産運用を始める前に、一度考えてみて頂ければと思います。
考え方として、今現役でお仕事をされているのであれば、今の生活費のおおよそ7割~8割くらいを目安と考えて頂くのも良いかと思います。

【年金の見込額を確認する】

 支出見込みを考えた後は、収入の見込を考えてみます。
老後の収入の柱の1つとなるのは「年金」です。

公的年金に対しては、いろいろな意見があるとは思いますが、5年毎の財政検証を行いながら運営をされているので、老後の収入の柱の1つとして考えておいて良いと思います。

年金の見込額を確認する方法の1つが、毎年届く「ねんきん定期便」を確認することです。
「ねんきん定期便」は、毎年あなたの誕生日の月に届きます。
50歳以上の方であれば、今の働き方を続けた場合の見込額が記載されています。
50歳未満の方は、それまでの加入実績に応じた見込額しか記載されていないので、「ねんきんネット」を利用するなどして、見込額を確認するのが良いかと思います。

あるいは、「年金事務所」へ直接足を運んで、見込額を聞いてみるという方法も良いかと思います。

老後に、どのくらいの収入が見込めるかを知ることで、お金の不安も少しは和らぐのではないでしょうか?

【不足額が目標額になる】

 支出と収入の見込を把握したら、その差額を計算します。
もし、年金見込が支出見込より多ければ、極論、資産運用は必要ありません。
年金だけで生活がまかなえれば、貯えがなくても生きていけるからです。

ただ、現実は、年金見込よりも支出見込が上回っている方が多い印象を感じています。
その差額を資産運用で、65歳とか70歳を目途に準備することが、資産運用を行う目標となるのです。

例えば、年金の見込額が20万円、支出の見込額が25万円の場合、月に5万円、年間で60万円不足することになります。
人生100年時代と言われている今、年金の受け取り開始の65歳を老後のスタートと考えると、100歳まで35年あります。
その場合、不足額は、60万円の35年分で、2,100万円となります。
ここで計算して出た差額の2,100万円が、この例の場合は、65歳までに資産運用をして準備する必要のある金額というイメージで、1つの目標となる金額になります。
もしあなたが45歳だとすれば、20年間で2,100万円に到達できるように、資産運用に取り組むという目標になるというイメージです。

この目標設定にする金額は、あなたの年齢や現時点で持っている資産額などによって変わってきますが、考え方としては、「年金見込-支出見込」でマイナスになった場合、その年額の30年分か35年分を目標として考える、というのが、資産運用の目標設定の1つの考え方です。

 とは言え、個別性も強く、資産運用に対する想いなども個人差がありますので、あなたひとりで考えるのが難しいということであれば、神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合へご相談頂ければと思います。あなたのお金の不安を安心に変えるお手伝いをさせて頂きます。

齋藤 岳志 2023年12月10日