家庭経済の耳寄り情報

2015年07月10日

熟年離婚が急増中

 いま、熟年離婚が急増していることをご存知でしょうか?
同居期間25年以上の熟年夫婦の離婚は、ここ10年で2倍以上に増えています。更に、同居期間30年以上(30歳結婚~60歳定年)に限ってみると3倍近くになり、この増え方は、離婚全体の増加率の2倍にもなります。しかも、そのほとんどが妻からの申し立てによるものです。

人類の歴史上始まって以来の長寿化によって、夫婦は驚くほどに長い二人だけの時間を過ごすことになってきました。夫婦がこのように長く顔を合わせて生きていくノウハウを我々人類は持ち合わせていません。

あるテレビのワイド番組で「夫の昼食を作る度、離婚を考える妻」というタイトルで、40代から60代の主婦60人に「昼食の時間に夫がいることに嫌悪感を覚えるか?」との問いに対して「はい」か「いいえ」を求めた結果、「いいえ」44%に対し、「はい」が56%と過半数を占めました。

どうも「定年後じっと家にいる夫ほど、妻にとって厄介な存在はない」ようです。
ある大学の名誉教授は著書の中でこう指摘しています。「妻はこれまで1日のほとんどを、特に昼間は、自分の好きなように過ごしていたのに、夫が毎日家にいるようになってからはそれができにくくなっている」「夫が毎日家にいるようになってからから、どうしても夫の目が気になり、夫が家事に口を出すようなことがなくても、これまでのようにいられなくなる。これは妻にとって大きなストレスである。夫はこうした妻の立場で自分の家での存在を考える必要がある」と記述しています。

 これに対して、男性たちも色々と考えている人達もいるようです。
いま、「全国亭主関白協会」が注目されています。「全国亭主関白協会」では、妻から一方的に離婚を切り出されたという男性の相談が急増しているそうです。
 「亭主関白」とは、妻に対して威張るのではなく、「亭主」はお茶を振舞う人、もてなす人という意味で、「関白」とは天皇に次ぐ2番目の位(家庭ではカミサンが天皇で、夫は「関白」だそうです。
 会員になったら、「勝たない」「勝てない」「勝ちたくない」の「非勝3原則」を守るように勧めているそうです。中には、「ありがとう」「ごめんなさい」を言っただけで、妻に泣かれた男性もいるそうです。
 「全国亭主関白協会」は、最初は11名のメンバーでしたが、離婚の危機を抱える中高年男性がどんどん入会し、現在では40代から60代を中心に2万2千人に上り、全国各地に支部ができているそうです。

 どうも、長寿化社会において世界の先頭を行く日本においては、いろいろな新しい課題を突き付けられているようです。

土井 健司 2015年07月10日