家庭経済の耳寄り情報

2016年01月30日

介護と住居

 介護生活に入るときに重要なのはどこに住むかです。
どこに住むか、とは「誰に介護をしてもらうか?」と「どのような介護生活を望むのか?」に直結します。
介護生活の期間は人により異なりますが統計的には平均5年弱といわれています。
 
 この5年間の介護期間の費用は、FPがリタイヤメントプランを作成するとき使用する多くのライフプランソフトは考慮していません。3大資金(教育・住宅・老後)は計算に入れますが、介護資金は公的介護保険・手持ち資金・家族からの援助でまかなうという暗黙の合意があるからだと思います。介護費用は人により(希望により)、住居により大きな差があり、まさに介護はお金次第といえます。 
ここでは平均的な方のライフプランを作成する時にFPが考えるべき介護資金の目安を住居別に検討してみます。 

<介護状態になってからの住居別の平均的な費用>

  住居            自己負担費用月額(要介護3の場合)の目安
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 ① 自宅               70,000円(除く食事・光熱費・日用品等)
 ② 特別養護老人ホーム)       143,000円(含む食事・住居費6万円・介護費用等)
   (介護老人福祉施設)(公的)
 ③ 介護老人保健施設(公的)      同上
 ④ 介護療養型医療施設(民間)     153,000円(含む食事・住居費6万円・介護費用等)
 ⑤ 介護付き有料老人ホーム(民間)   220,000円(含む食事・居室費8万円・介護費用等)
        施設により入居一時金500~3,000万円がプラス
 ⑥ サービス付高齢者住宅(民間)    200,000円(含む食事・居室費7万円・介護費用等)
                    施設により入居一時金0~30万円がプラス 
 ⑦ グループホーム   200,000円(含む食事・居室費7万円・介護費用等)
   (認知症対応型共同生活介護)(民間)  施設により入居一時金10~100万円がプラス

注)
・上記の内③老人保健施設、④療養型医療施設は一時的入所の施設であり、終の棲家ではない。
・一人住まいの方は安全・安心を考えると①自宅を選択するのはどうでしょうか?
・上記施設で数の多いのは②特別養護老人ホーム、⑤有料老人ホーム、⑦グループホーム、⑥サービス付高齢者住宅の順です。料金が手頃なサービス付高齢者住宅の数が最近増加しています。

 あらかじめ施設に合わせた資金計画をライフプランの中に考慮すべきなのは⑤の有料老人ホームを選択する場合のみでしょう。多くの方は資金的余裕度に合わせて介護時の住居を決定するのが実状です。

 厚生年金の受給者は①自宅、②特別養護老人ホーム、⑥サービス付高齢者住宅、⑦グループホームを選択する場合は特別な資金計画は不要と思われます。問題は自宅介護の場合の家族の負担と特養の場合は希望者が多く入居が困難なことです。

 入居のしやすさ、資金を考えて普通の元サラリーマンにとって現実的なのは⑥サービス付高齢者住宅といえますが下記の点に注意が必要です。
① 介護サービスの指定を受けているか、外部の在宅介護サービスを利用するのかで料金が異なる
② 入居時に礼金・敷金が必要か
③ '看取り可能か否か''認知症可能か否か''終の棲家になるか否か'等の確認

 最後の手段として自宅を売却するとかリバースモーゲージを利用する方法もありますが相続人の理解が必要です。
① 横浜社会福祉協議会(低所得者向け生活資金用)
  65歳以上、市民税非課税世帯、利用権・抵当権の無いこと、
  一戸建てのみ、土地の評価額の70%、金利1.15%
② T銀行(生活に関する費用であれば目的は自由、最も条件が緩やかな銀行)
  55~80歳、年収120万円以上、住宅ローンがある場合は借り換えにより可能、
  マンション可、土地評価額の80%、マンション評価額の50%、金利3.057%

人生の終末期に同居人の有無を含めて、安心できる生活のため住居をどうするかあらかじめ考えておく事も必要です。

鈴木 榮三郎 2016年01月30日