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[更新日]: 2018年02月28日

「年金の給付減額」~老齢年金の額がいくら減るか、知っていますか?その対処策は?

 「年金が減る」ことを知らない人はいないでしょうが、どのくらい減るのでしょうか?年金の給付減額は1999年度(平成11年度)の「厚生年金の5%適正化」から始まり(2020年度で調整終了予定)、本格的な給付減額は2004年度(平成16年度)に「マクロ経済スライド」が導入され、国民年金の給付減額に手がつけられて大きく動き出しました。2004年度(平成16年度)は小泉首相の時代ですが、この頃から国民の老後生活に対して「自己責任・自助努力」が言われ始めました。

 年金の財政計算は5年ごとに実施され、最新は平成26年度(2014年度)です。そこで明確にされたことは「2014年度から30年目の2043年度に20%減額する」という国の方針です。36年目の2050年も20%減額のままです、つまり給付減額は30年かけて徐々に実施し以降は横ばいにするという計画です。国は金額ではなく「所得代替率」という指標を使って方針を示しています。「所得代替率」は現役世帯の所得に対する夫婦が貰う年金額の比率です。2014年度は62.7%ですが、2043年度には約50%にするという計画~約20%の減額が計画されています。経済成長や人口の動向で8通りの試算をしています。最悪では所得代替率が40%になるケースもありますが、その場合も所得代替率は50%の給付水準を維持するよう、給付と負担の在り方について検討するとしています。

 この方針を現在の金額ベースで捉えてみましょう。2014年度の年金モデル(40年勤務、妻は専業主婦)は夫婦2人で月約22.3万円ですから、20%減るということは4.5万円減り月額約17.8万円になります。計画通りに行けば2014年度に35歳だった人が30年後65歳で年金を貰い始める時に受取る年金月額は約18万円だということになります。また、すでに年金を受給している人は対象外かというとそんなことはありません、貰う金額が年々減額されます。30年で20%減ると言うことは年率約0.7%の減少、月々の減少金額は約1500円です。僅かな金額ですが、塵も積もれば山となる~30年後には現在の貨幣価値ベースで月額4.5万円も減り、約18万円になると考えて下さい。

 老後の生活水準を親世代並みに維持したいとすると、月額4.5万円の年金を自分で創る必要があります。財形年金制度は衆知の制度ですが、低金利下では時代遅れの古い制度です。新しい制度として国は平成28年5月に確定拠出年金法の改正案を成立させました。改正の狙いは(1)企業年金の普及・拡大(2)ライフコース多様化への対応(3)DCの運用の改善の3点です。この改正で平成29年1月から「iDeCo 」が誕生し、公務員や専業主婦等、今までDC加入できなかった人も含め、全国民が加入可能になりました。優遇策として(1)掛金の所得控除(2)運用収益の非課税(3)給付時の減税等があり、DC制度は準公的年金と言っても良い、老後資金作りに有効的な制度であると思われます。制度の内容と共に資産運用の知識を習得して、年金の給付減額に備えることをお奨めします。

仁科 眞雄 2018年02月28日



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