家庭経済の耳寄り情報

2018年05月30日

シニアのライフプラン 健康雑感!私見!

 ライフデザインは、個人の生き方や価値観のことことです。ライフプランは、生涯生活設計のことで、ライフデザインを具体化したものです。
 ライフプランには、3つの要素があります。生きがい、健康、経済です。
どの一つが抜けてもうまくいきません。

 シニア(高齢者65歳以上のイメージ))の健康について、少し整理したいと思います。年を取れば足腰が弱くなる、記憶力が衰えるなど生理的変化、心理的変化が起こります。これを老化というそうです。
 しかし、実際には、元気で長生きのシニアが大多数です。シニアが元気で快適な自立生活を送れている間は健康に関し問題が表面化しづらいと思います。
 また、心理学や寿命学における老化の研究では、様々な能力は加齢とともに直線的に下降するとは限らず、死の比較的直前に直角的に低下するそうです。

 心理学では、人の知能は「動作性能力」と「言語性能力」に分けられ、前者は車のブレーキを機敏に踏められるかどうかなど動作に現れる能力、後者は、物事の判断や概念の操作をする能力のことです。
 日本でのある研究所の調査によれば、言語性能力は、元気なシニア70代から80代と高齢になっても低下せずむしろ上昇した結果が出てます。

 シニア期の健康度の指針であるWHO(世界保健機構)の提言として、(1)死亡率(2)罹病率(3)生活機能を挙げています。
 提言では、最重要なのは、(3)の生活機能にあるとしています。シニアは「一病息災」でよしとし、病気にかかっているかではなく、自立して生活できるかどうかが健康の基準としています。
 日常生活動作(ADL=Activities of Daily Living)とは、自立して生活するための基本的な身体的動作で、毎日繰り返される一連の動作群をいいます。
 老年学者のロートンの分類によれば、「身体的自立」とは、食事、排泄、着脱衣、入浴、洗面など支障なくできるレベルです。
 食事は食べるだけでなく、自分で作ることができ金銭管理や買い物などにも出かけられる「手段的自立」、知的好奇心を失わない「知的機動性」、社会的貢献ができる「社会的役割」の段階があります。
 夫婦2人暮らしや1人暮らしの世帯が多い現在では、自立して生活するには「手段的自立」が必要とされます。
 自分が高齢になるにつれて「手段的自立」のレベルを確保できなくなることを想定しなければなりません。その年齢が何歳なのか予想できません。
 それでも、例えば、70歳、80歳、90歳とシミュレーションしなければなりません。自分としても、病気の度合いや介護の度合い・障害の度合いなどによりどう暮らしが変化するか、どう想定外の予測リスクに対応するのか。生きがい、健康、経済の3要素が将来どうなるのか検討が必要です。

 まず、経済に関し、働ける環境にあれば介護状態になる前まで、または死ぬ直前まで働いて収入を得る。老後の将来の収支は厳しいものがあります。
 贅沢はできないが、たまに最低料金で旅行くらいはしたい。年に数回うまいものを食いたい。
 次に、生きがいは、働くことと社会貢献を目指したい。家族や仲間と楽しく生きていきたい!FPが職業として認知されることを目指したい!趣味を見つけ極めたい。
 最後に健康について、食事や運動など積極的に参加・勉強し実践すること。
病気になりにくい体質作りを目指したい。
 健康に関し、神頼みとして、ピンピンコロリを究極目標とします。
  *ピンピンコロリとは、病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝付かずにコロリと死ぬこと、
  または、その様に死のうという標語。PPK

 FPに関し、年配FPには、経験に裏付けられた知恵があります。若い人にはまねできない知恵は、社会にとって貴重であり生かすべきものであります。
 {参考、5つの味覚(甘味、苦味、塩味、酸味、うま味)を味わう力は高齢になると鈍くなります。ただし、全体を統合した「深く味わう力」は年齢とともに鋭さを増します。}
 神奈川県FP協同組合のFPは、若手でも知恵のあるFP集団です。一緒にこれからのことを考えましょう!

  *参考文献 福祉住環境コーディネーター検定試験3級テキスト
        改訂4版 東京商工会議所

佐藤 博明 2018年05月30日