相続を考える

家庭経済の耳より情報

2014年09月30日

相続に関するお悩みQ&A

 何事も基本的な知識が大事です。相続に関するお悩みについて、もっとも基本的な問題について、Q&Aをつくってみました。ご参考にしてください。

Q1 相続が発生したけど、何をどうしたらいいの?
A1 まず、相続人が誰なのかを調べることと遺産の総額を調べる必要があります。遺産の総額により、相続放棄の手続と相続税申告の手続が必要かどうかを判断します。
 遺産がなく借金があった場合には、原則として3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の手続をしなければなりません。
 遺産があり、総額が相続税の基礎控除を超えている場合には、原則として相続開始から10ヶ月以内に相続税の申告と納付をする必要があります。

Q2 遺産はどうやって分けるのですか。
A2 まず、遺言があるかどうか確認します。
 まず、遺言があるかどうかを確認し、遺言がある場合はそれに従うのが原則です。
遺言がない場合は、法定相続人が話し合い、民法の法定相続分などの規定に従い、分け方を決めます。
 なお、遺言があっても、第三者を害することがなければ、法定相続人全員が合意することにより、自由に遺産を分けることができます。

Q3 遺産分割を進めたいのですが、話がまとまりません。どうしたら良いですか。
A3 家庭裁判所で遺産分割調停を行い解決することになります。
 遺産分割を進めるには、法定相続分のほか、生前贈与や寄与分(共同相続人のうち、亡くなった方の財産の増加などについて特別に寄与した場合に、法定相続分以上に認められる持ち分)などを考えながら、共同相続人全員が納得いくまで話し合いをしなければなりません。話し合いで解決しない場合には、遺産分割調停の申立を行い、家庭裁判所で解決します。

Q4 遺言書が出てきましたが、内容が不公平で納得できません。どうしたら良いですか。
A4 遺留分を主張することができます。
 遺言書に不公平な内容が書かれていた場合、法定相続人には、遺留分という、法定相続分の一定割合の分割を主張できる場合があります。ただし、兄弟姉妹については認められていません。この遺留分を主張する場合には、遺留分減殺請求という法律上の権利行使をしなければなりません。

関口 英紀  2014年09月30日