家庭経済の耳寄り情報

2022年07月25日

なかなか投資に踏み出せないあなたへ

 2021年12月に発表された日本証券業協会の「証券投資に関する全国調査」によると、証券投資は必要と思わない方の割合が68.9%となっています。

その理由は
① 損する可能性がある
② 金融や投資に関する知識を持っていない
③ ギャンブルの様なもの
④ 価格の変動に神経を使うのが嫌
⑤ 証券投資するためのまとまった資金がない
との理由がトップ5となっています。

 今回は、投資になかなか踏み出せないあなたに、読んでいただきたい長期・分散・積立投資のお話です。

 新入社員として私が証券会社に入社したのは、35年ほど前。証券会社は「株屋さん」と呼ばれる時代でした。
株式の売買を行う個人投資家は圧倒的に男性が多く、インターネットもない時代でしたので、有価証券報告書は冊子のみだったため簡単に閲覧することも難しく、情報は会社四季報と新聞のみ。バブル前夜の証券業界を取り巻く状況はタバコの煙とアナログの世界でした。

 株に興味があり私は証券会社に入社したものの、証券の知識は全くゼロ。仕事は毎日、未知との遭遇でした。

そんな中、配属となった部門の50代の上司からの忘れられない言葉がありました。
「株はね、使わないお金でちょっとずつ買って、長く持って、老後必要な時に、1枚、2枚って必要な分を売ればいいんだよ。」(昔は株券があって、株券1枚が株式の売買の単位だったため、こんな表現になっています。)

 今、盛んに言われている長期・分散投資について、30年以上も前に、こんな言葉で投資の世界に背中を、ポンと押してもらったのでした。新入社員だった私は、その言葉を何の疑いもなく信じ、実行しました。

 バブル真只中の投資デビュー。当時、株は1,000株単位で売買されていました。そのため、ある程度まとまった資金が必要な時代でしたが、ボチボチと株を購入し続けました。
 長い時の中で、上場を廃止した会社や、業績不振から買収されてしまった会社もあり、損失がなかったわけではありません。一方で、住宅購入費用や子供たちの教育費を捻出する時に、この、少しずつ購入した株たちに助けられたことが多々あります。
現在は保有株から支払われる配当金も楽しみのひとつとなっています。

 2022年6月7日、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」が閣議決定されました。
その中では、個人金融資産を全世代で、貯蓄から投資にシフトするための政策が検討されています。詳細は年末に発表されるとのことですが、NISAの抜本的拡充、iDeCo制度の改革、子供世代が資産形成を行いやすい環境整備などが例として挙げられています。
長期・分散・積立投資の環境がさらに整っていくことでしょう。

 資金面では、日本の株式は100株単位で売買ができ、10万円以内で購入できる株も多くあります。アメリカの株は1株単位で売買ができます。投資信託であれば、100円から投資できる時代です。投資商品の選択肢も大きく拡がっています。

 投資を始めたいけど、勇気を出せない皆さん、そろそろ、30年先の未来を描きながら、投資のスタートラインに立ってみませんか?

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是非、お気軽にご相談くださいませ。

森村 利果香 2022年07月25日