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2022年10月25日

相続手続きが簡単になる「法定相続情報証明制度」とは?

 この「法定相続情報証明制度」とは全国で相続登記が未了のまま放置されている不動産が増加し、これが所有者不明土地問題や空き家問題の一因となっていることもあり、法務省において相続登記を促進するために新設され、2017年5月29日から始まった制度です。

 始まった当初は関係機関の認知度もあまりなかったこともあり、制度発足の目的であった相続登記くらいにしか使えなかったようですが、制度そのものはさまざまな相続手続きに利用可能なもので、最近は色々な場面で使えるようになったので、あらためて紹介します。

 相続手続では、亡くなった方の除籍謄本等の束を、相続手続を取り扱う各種窓口に何度も出し直す必要がありました。
具体的には、まず亡くなった方の預金がA銀行、B銀行、C銀行、株式をD証券会社、E証券会社、持ち家であれば、まず戸籍の束をA銀行に提出して手続きしてもらい、その束を返却してもらい、次にB銀行に持って行って手続してもらい返却を受け、次にC銀行、D証券会社、E証券会社、登記所と順番に繰り返すことになり、すべての手続きが終了するためには、それなりの日数がかかりました。

それが、新制度では、下記の「法定相続情報一覧図」を同時に、A銀行、B銀行、C銀行、株式をD証券会社、E証券会社、登記所などに同時に提出して手続きを行うことが出来るようになったことで相続手続き完了までの日数短縮が可能となりました。

この「法定相続情報一覧図」の発行を申し出るために下記の4つのステップを実行します。

■ステップ1 必要な書類を集めます。
★必須な書類
①亡くなった方(被相続人)の出生から亡くなるまでの戸籍謄本
②亡くなった方の住民票の除票
③相続人全員の現在の戸籍謄本
④申出人の住所・氏名を確認できる公的書類
★できれば集めた方がよい書類
相続人の住民票・・・法廷相続情報一覧図に住所も記載でき、相続登記するときに相続人の住民票が不要になります。
→法定相続情報一覧図
■ステップ2 法定相続情報一覧図を作成します。
専門家に頼まなくても、下記の法務省のホームページにケース別に様式と記載例が公開されています。
主な法定相続情報一覧図の様式及び記載例

尚、相続税の申告でこの一覧図を税務署に提出する場合は、子供が相続人になる場合、一覧に記載する続柄は「子」ではなく、「長男」「長女」「二男」「二女」のように記載しなければなりません。
■ステップ3 法務局の窓口に持参します。(郵送でも可能)
一式(申出書、一覧図、戸籍謄本等)
■ステップ4
登記官がその「法定相続情報一覧図」に認証文を付した写しを必要な枚数交付してもらいます。(無料)

制度案内パンフレット

磯野 正美 2022年10月25日