家庭経済の耳寄り情報

2022年12月25日

個人向け火災保険の損害保険金の支払いを受けた後契約はどうなるか

「保険金額が2,000万円(保険価額と同額)の火災保険に加入後、火災により住宅用建物が損害を被り、損害保険金1,000万円が支払われた場合、保険契約はその後どうなるか」という質問に答える形で上記テーマについて解説します。

 保険金額の80%以上が支払われると、補償対象の建物が無くなったという判断になり、今の保険は契約終了となります。
しかし、上記のケースでは損害保険金が保険金額の80%未満なので、契約は満期まで有効に継続します。
保険金額の80%を超えない限り、被害に遭うたび何度でも申請できます。

保険期間中に保険金の一部が支払われた後、
1.保険金額から支払われた保険金を控除する方式を「残存保険金額方式」
2.保険金額が契約時のまま減額されないものを「保険金額自動復元方式」
といいます。

 一般的に個人向けの火災保険では、「保険金額自動復元方式」が設定されているため、保険期間中に火災保険を使っても契約当初の補償が減額されることはありません。
また、火災保険を使ったからといって次回の保険料が高くなる、ということもありません。
火災保険は自動車保険のノンフリート等級別料金制度のような仕組みはありませんので、保険金を受け取っても原則、翌年度の保険料が上がることはありません。

 但し、保険金を支払う事故の頻度が多いような場合等は、翌年度以降の契約引き受けを保険会社が断る可能性があります。
火災保険は掛け捨てであり、使い過ぎて困ることはないので、気になる箇所があればリフォーム専門業者等に見てもらって、利用を検討しては如何でしょうか。

佐藤 博信 2022年12月25日