2023年08月25日
保険の現状と今後の課題
生命保険文化センター、2021(令和3)年度「生命保険に関する全国実態調査」によると以下の結果が発表されています。
*生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%と、前回調査とほぼ同水準
*医療保険の加入率93.6%、今回新たに調査を実施した認知症保険と健康増進型保険の加入率はそれぞれ6.6%、4.2%
*世帯の普通死亡保険金額は平均2,027万円であり、引き続き低下傾向
*世帯年間払込保険料は平均37.1万円と前回調査とほぼ同水準
*個人年金保険(全生保)の世帯加入率24.3%と平均世帯年間払込保険料20.6万円は2015(平成27)年以降増加傾向
出典:公益財団法人 生命保険文化センター 2021年09月22日プレスリリース「 「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査(速報版)」まとまる」より引用
https://www.jili.or.jp/press/2021/3672.html 2023年8月19日に利用
世界の保険事情の中でも日本人は保険が大好きといわれ、約9割近くの世帯が何らかの保険商品を保有していることになります。
ただ内容を検討すると、団塊の世代が子育てをしていた昭和時代とは違いがあり、生命保険の保険金額が減少傾向にあります。
(社会保険の中身の知識も広がり、必要保障額を知ることにより漠然とした不安から保険加入する人が減ってきたことも一因)
高齢化が進むことにより健康寿命も延び、認知症対策や健康増進型保険の伸びも顕著になっています。
そして年金制度の弱点、公的年金だけでは生活が苦しくなる、又は維持できないという流れの中で、自己責任で私的年金への加入という結果が表れています。
家族形態も様変わりし、専業主婦と呼ばれた時代から、共働き、おひとり様、シングルマザーと多様化しています。
以下のグラフのデータからも分かるように、女性の社会への進出は大きくなり、リスクの考え方も変わっています。
出典:男女共同参画局 「男女共同参画白書 令和4年版」 特-8図 共働き等世帯数の推移(妻が64歳以下の世帯)
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r04/zentai/html/zuhyo/zuhyo00-08.html 2023年8月19日に利用
また最近のコストプッシュ型のインフレ、ガソリン価格、電気代、物価の上昇など生活費は厳しい状況です。
正社員の給料は上向き傾向ですが、非正規社員、中小企業の従業員の給料はまだまだ十分には上がらない中、固定費となっている保険料の負担割合は高いままです。
支出の見直しで一番効果的なのは毎月定期的に引かれる固定費、特に保険料など。
必要な保障はどんなものか、何に備えることが大事なのか?
今一度自分の保険を見直して、無駄な出費はないか、重複している保険商品はないか整理してみませんか?
佐藤 房子 2023年08月25日