2011年11月17日
エンディングノートなら手軽に書けます
3月11日の大震災以降、人々の考え方が変わったと言われています。一つは人々の消費が変わりました。節約志向が強まる中で、自分のためだけでなく、他人のためにする消費が新しい動きだと感じます。被災地応援ツアーなどがその典型でしょう。二つ目が住まいの選択基準が変わったと言われています。高層マンションの売れ行きが鈍り、内陸部の土地を探す人が増えているようです。三つ目が家族のきずなを大切にする動きです。結婚する人が増え、結婚指輪の売れ行きが急増しました。
家族のきずなを大切にする考え方が、遺言書を作成する動きとなっています。遺言書というと、相続争いを防ぐといったイメージが強いですが、「残された人が困らないように」また「大切な人へのメッセージ」といった使い方ができますので、あまり深刻に考える必要はないと思います。実際、遺言書を書きたいという若い人からの相談が増えてきています。
また、エンディングノートの売れ行きも増えています。エンディングノートとは、発行する会社によっても違いがありますが、預貯金や不動産といった「資産の一覧」、万一の時の連絡先となる「親族や友人の一覧」、「葬儀の希望やお墓について」、「遺言書の有無や遺産分割について」、また「自分史」などが書けるようになっているのが一般的です。ただし、正式な遺言書としては使えませんので、注意が必要です。最近は、エンディングノートを電子化した電子遺言バンクもあります。大津波で家が流されたとしても、電子遺言なら確実に残すことができますので、検討に値するかもしれません。
遺言書を書くにはまだ早いという方でも、資産の一覧や友人の一覧、自分史といったことであれば気楽に書けます。エンディングノートの作成が、今までの生き方を振り返り、残された人生をより充実したものとする良い機会となると思います。一度、エンディグノートにチャレンジされることをおすすめします。
葉山 俊夫 2011年11月17日