2011年11月20日
良い投資信託の選び方とは ~シャープレシオ~
優れた投資信託とは先々の収益率が高くて損をする確率が低い商品ですが、これを言い当てることは至難の業です。過去の実績で評価して、それを参考に選択するのが一般的です。この評価にシャープレシオという指標が使われます。
リスクとは「損をする」という意味ではなく収益率がぶれる幅が大きい、ある年は10%も儲かったのに次の年はマイナス10%にもなるというように動きが大きく、危険性が高いことを意味します。
優れた投資信託はシャープレシオによって判断できます。
投資信託名 リターン(収益率) リスク(ふれ幅)
F1 11% 5%
F2 12% 10%
投資信託F1は平均11%の収益率だったが、ふれ幅が±5%ですよ、つまり、リターンの分布が正規分布であると仮定すれば、収益率6%~16%の間に入る確率が70%ですよということを意味しています。投資信託F2は2%~22%の幅になります。
シャープレシオは下式の通りリターンをリスクで割った数値、つまりふれ幅の大きさに対する収益率の高さを表した数値です。リスクが小さくてリターンが高ければシャープレシオは高くなり、良い投資信託だと言えるわけです。何パーセントなら良いという絶対的な標準値はありません。どちらが良いか、どちらを選ぶかという時に使われます。
シャープレシオ=(R-r)/σ
R=リターン(収益率) r=無リスク資産利子率 σ=リスク(ふれ幅)
無リスク資産利子率(リスクがゼロと見なされる資産の利子率)を1%とすると、シャープレシオは以下のように計算されます。
F1のシャープレシオ: (11%-1%)/5% =2.0
F2のシャープレシオ: (12%-1%)/10%=1.1
シャープレシオが高いほど良いパフォーマンスといえますから、F1のほうがF2より優れている投資信託と判定されます。
岡野 征治 2011年11月20日