家庭経済の耳寄り情報

2012年05月30日

古いがん保険は役に立たない!?

 一昨年から昨年にかけて、多くの保険会社ががん保険の新商品を販売開始しました。それらの保障内容を見ると、以前の商品に比べ大きな変化が感じられます。この変化の最も大きな理由は、がん治療における入院日数の変化です。

厚生労働省の「患者調査」(平成20年)によれば、がんによる平均入院日数の推移は以下の通りです。

  1996年:46.0日
  1999年:40.1日
  2002年:35.7日
  2005年:29.6日
  2008年:23.9日

 1996年から2008年の12年間で、がんによる平均入院日数は、ほぼ半減しました。がん治療は、入院による治療から、通院による治療に比重が大きく移りつつあります。がん保険の保障内容はこうした治療の変化に対応し、変化してきたと言えるでしょう。

がん保険の変化の方向性は、具体的には以下の3つに分けることができそうです。

1.がんの診断確定などを要件とする一時金の充実
2.抗がん剤治療給付金といった治療内容に応じた給付金の充実
3.通院給付金の付帯と給付要件の緩和

 3つに共通するのは給付が入院日数に左右されないということです。一方、昔のがん保険では「がんの治療のために入院しても入院日数に制限がない」ことが最大の”ウリ”でした。
あなたが昔に加入したがん保険は、がん治療の現状を考えると、あまり有効な保障内容ではなくなっている可能性があります。

 入院日数に左右されない給付がどの程度あるのかをしっかり確認し、保障内容によっては見直すことも必要かもしれませんね。

平野 雅章  2012年05月30日