家庭経済の耳寄り情報

2012年10月10日

日経平均株価のクセを株式投資に活用してみよう

 無くて七クセ有って八クセと昔から人には様々なクセがあるといわれております。人から言われて初めて気が付く自分では判らないクセもあります。

 株価指数や株価指標にもクセがあります。
日経平均株価の過去の統計からクセを分析してみると面白いことが分かってきます。
全てがそのように変動するわけではではありませんのでご了解下さい。何項目か見てみましょう。

1.一日の動きでは 
 日経平均株価の推移を時系列で見てみると、取引開始後10分前後で大きく変動することがあります。これは為替や金利、経済指標の想定外の発表や内外の大きな事件等の外部材料を市場が織り込んでいく過程と考えられます。その後戻っていくことが案外あります。
 1年中で上昇率の高い可能性のある日があるのでしょうか。
2010年までの過去60年間程度の日経平均株価の1日の騰落を月日別に集計した統計資料を見てみると1月14日の上昇率が高い可能性があるのが目につきます。その年により理由は多様のようですが年初の期待感あるように思われます。また、年内最終売買日の「大納会」の上昇率も高いことが多いようです。年末の株価引き上げを目的とした「お化粧買い」が入っているのではないかと推測されます。


2.週間では
 1週間の曜日で見てみると、上昇率の高いのは水曜日と木曜日のようです。月曜日と火曜日は上昇率が低いようです。企業業績悪化や倒産等の悪いニュースは株式市場への影響を考えて週末に発表することが多いためと思われます。
 また、火曜日の上昇率の低さは信用取引の売り返済が多いためではないかと思われます。株式の決済は4営業日になります。火曜日に売り返済すると決済日は金曜日になります。水曜日に売り返済すると決済日は月曜日になります。土曜日と日曜日を含めると6日目になります。決済日までは信用取引で借りたお金に金利が掛かります。2日分多く支払わなければなりません。コスト計算が働くためと考えられます。


3.月間では
 上昇率のトップは1月で最下位は9月のようです。新年度入りで外人投資家の新規買いが入りやすいと考えられます。4月、6月も上昇率が目立ちますが、機関投資家や年金の新規買いが入りやすいと思われます。9月は機関投資家や金融機関等の決算売りが出やすい時期と考えられます。
 また、世界的に大きな事件が発生したのも秋が多いようです。1987年10月のブラックマンデー、2001年9月の米国同時テロ、2008年9月の米国リーマン・ブラザーズの破綻等です。


4.干支では
 過去60年の統計でもっとも上昇率の高かったのは「辰年」で、悪かったは「午年」でした。
相場格言では「辰巳(たつみ)天井」、「未(ひつじ)辛抱」、「午(うま)尻下がり」といわれております。
1952年のスターリン暴落の前年は辰年でした。

 相場格言は先人達の経験に基づいて凝縮された経験則です。一考の価値が有るのではないでしょうか。

 日経平均株価から見られるクセをご紹介しましたが、このように変動するとは限りません。株式投資は投資家ご自身の判断で行うようにお願いいたします。

金井 剛 2012年10月10日