家庭経済の耳寄り情報

2012年11月20日

「ランドバンキング」をご存知ですか?

 不動産投資に興味のある方で「REIT」を知らない人はいないと思いますが、「ランドバンキング」という投資を聞いたことがあるでしょうか?先般、カナダ大使館で説明会があり、聞く機会を持ちました。
 「ランドバンキング」というのは、将来の不動産需要が見込まれる未開発の土地を購入し、開発許可申請をして開発許可を得た段階でその土地を売却し利益を得る投資です。金融商品ではなく不動産取引の範疇にはいるとのことでした。「ランドバンキング」をインターネットで検索すると、カナダだけでなくアメリカや東南アジア等でも展開されているようですが、ここではカナダの例をご紹介します。

 今回の説明会で紹介されたのはカナダのオンタリオ州にある2物件です。オンタリオ州(州都トロント)は北米五大湖やナイアガラ・フォールズの北側に位置し、広さは日本の2倍、カナダの人口(3240万人)の3分の1が住む発展性が高い土地です。立地は良いのに未開発の土地がたくさんあることが映像で紹介されました。1万カナダドル(約80万円)単位で資金を集め、10年後には倍にして償還することを目標とした物件です。集められたお金で未開発の土地を購入し、1口1万カナダドルのユニット(共有持ち分権)とする方式です。インターネットでは未償還のランドバンキング投資が多数見られますが、目標通りに行けば年率7.2%の運用利回りになります。
 オンタリオ州政府で都市開発に従事したダニエル・レイン氏が1997年にカナダで創業した会社の日本支社(2003年開設、代表者スティーブン・ハギンズ)が日本やアジアにランドバンキングを紹介しています。

 原野商法を思い出される人もいるでしょうが、詐欺に近い原野商法とは違います。この会社は、ランドバンキングのリスクは①流動性がないこと②売却時期が不確定なこと③為替の3つとしており、投資家が一番危惧すると思われる「開発の可能性」には自信を持っていました。オンタリオ州政府で都市開発をしていた実績があるからなのでしょうか。聞くところによると8年前の投資分が近く3倍の価格で償還されるそうです。

 新しい発見として、カナダは「ビジネスに最適な国」ランキング134ヶ国中1位を確保したとのこと。これはアメリカの経済月刊誌「Forbes」が毎年実施するものですが、資源大国に加えて新たな税制度と安定した金融制度が高く評価されたためだそうです。人口の伸び率は2010年6.9%と主要8か国中No.1でもあります。宝くじとは言いませんが、何か夢を持たせるものを感じさせます。

カナダは今まで行った外国の中で好きな国の最上位に入りますが、西側のバンクーバーとカルガリー&カナディアンロッキーしか知りません。閉塞感のある日本を離れた新世界に1口で良いから投資をして、トロントやナイアガラの滝を見に行くついでにオンタリオ州にある自分の土地を見に行く・・・夢を楽しむのも良いな~と思っています。

「ゆとり資金」を充てることをお忘れなく! 最悪の場合は少しリッチな海外旅行を1回スキップすれば良いぐらいの気持で考えることをお奨めします。

仁科 眞雄 2012年11月20日