家庭経済の耳寄り情報

2013年01月30日

雑誌の保険ランキングは信じてよいのか

 保険に関するご相談では、お客様が雑誌の保険ランキング特集号を持参されることも増えています。保険ランキングの特集は読者の関心も高いようで、「週刊ダイヤモンド」、「エコノミスト」の他、経済系ではない雑誌でも特集されるケースや、保険ランキングの別冊本もあります。これらのいくつかは私自身も何らかの形で関わっています。

 さて、これらのランキングは信用できるものなのでしょうか。多くのランキングでは、保険について詳しいファイナンシャルプランナーや保険代理店の方など20名ほどに、アンケートを行っています。メンバーは専門家であり、個々の意見のばらつきがあっても平均化されます。結果として、それぞれのランキングごとで選出される商品がすごく異なることはないですし、大筋で妥当と思える内容がほとんどです。
従って、保険選びの目安とするのに、役立つ情報であることは間違いないでしょう。

 一方、このランキングをそのまま自分にあてはめて考えてよいかと言うと、そうとは言えません。保険商品の保険料は年齢・性別によって大きく変わり、相対的に競争力のある年齢・性別、競争力が劣る年齢・性別がはっきり分かれる保険会社も存在します。また、家族の状況や働き方などにより、必要な保障内容や付帯サービスは異なるものです。

つまり、各々にとって"よい保険"は異なり、だれにとっても一番という商品は、まず無いと考えた方がよいでしょう。私がランキングについて心配するのは、順位が一人歩きしてしまい、こうした面が伝わりにくいことです。

 そもそも保険商品の選択よりもはるかに大事なのは、どんな内容の保障が、どの程度の保障額で、どの期間に必要なのかを、適切に決めることです。割安な保険商品を選ぶことができても、その商品の保障が自分にとって必要ない、あるいは保障額が過剰であったとしたら、結局はムダになってしまいます。

 保険のランキング記事を読むことは有益ですが、自分にとって最善な商品を選ぶときはランキングを鵜呑みにせず、保険商品に詳しい実務家ファイナンシャルプランナーなどに、必要な保障の内容・保障額・期間から相談することをお勧めします。

平野 雅章 2013年01月30日