家庭経済の耳寄り情報

2013年05月10日

住宅取得!いつですか!それは今です!は嘘です!

 住宅ローン長期固定金利の代表格であるフラット35の金利(最も低い金利)は、返済期間35年で2013年04月1.80%となりました。今まさに超低金利といえます。従来から住宅取得を考えている方は現状長期固定金利が低いことは極めて有利といえるでしょう。でもしかし住宅取得の原点に立ち返りましょう。

① 一生に一度の夢のマイホームをしっかり実現してほしい。
まず、どういう家がほしいか、家族で検討しましょう!なぜ必要か?家族会議を何回も開きましょう。理想の家はいくらかかるか、どうすれば実現できるか。いつまでに、どのくらい貯めるのか、物件はいくら、諸費用はいくら、自己資金はいくら必要か、頭金はいくらか、借入金はどうする。いろいろ検討しましょう。
住宅資金については、借入金額をできるだけ少なくする計画を練り、無理なく返せる金額の範囲内での借入額にしましょう。無理のない返済額にするには、どのくらいの自己資金が必要か目標を設定し貯蓄に励みましょう。無理のない返済額は、ライフプラン(生涯生活設計)を立てないと見えてきません。お子様の教育費や老後の生活も先をみて具体的に数字で検討すべきでしょう。

② 何が将来にわたって幸せか良く考えることが重要です。家はあなたにとって重要な人生の選択の手段です。しかし、家のために家族が犠牲になってはいけません。家は幸せの第一歩なのです。

 現状、変動金利型の住宅ローンも0.775%(最も低い金融機関)と超低金利の状態が続いています。確かに変動金利が上昇しなければこんなにいいことはないと思います。
アベノミクスが成功し景気が本格的に良くなり物価が2%に上昇したら現在のゼロ%金利政策の解除が行われるでしょう。その時の金利は3%あってもおかしくないという学者もいます。多くのエコノミストが2%物価上昇は無理といっていますが実現するまでは短期金利は上がらないでしょう。
 一方、物価だけが上がって景気は不調で賃金も上がらずスタグフレーション(不況下の物価高)の状態に陥ることも考えられます。この場合金利はそれほど上がらないでしょう。
 又、悪いシナリオとして借金大国の日本が信用を失い国債の暴落、利回り上昇、超インフレになるかもしれません。当然日銀は金利を上げないと収まらないでしょう。
リスクのある変動金利型の住宅ローンを選べるのはあなたではないかもしれません。

 将来、夢のマイホームを手放すリスクを負わないでほしいと願うばかりです。変動金利型の住宅ローンが良く分からないのであれば、選択すべきではありません。
良く分からないのであれば、固定金利で返済額の変わらないローンを選ぶべきだと思いますがどうでしょう。また、最初から家を買おうと決めていた方は別として、消費税が上がるから急に買おうなんておかしいですね。

 2年前の東日本大震災の被害が空前の規模でした。誠に痛ましいことでした。
当時、想定外という言葉がはやりました。しかし福島の原子力発電所の放射能漏れは、人災であるとの指摘がされています。リスクに対す認識不足が引き起こした人災なのです。何が起こっても不思議のない事態があります。
 変動金利型の住宅ローンの金利は、将来金利が上がることを想定外としているのではなく上がることを想定しているのです。金利リスクを是非意識してください。5年ごとの返済額の変更(返済額の大幅増加)の可能性、返済元本の減り方が鈍る、まったく減っていかないリスクを十分理解してないといけません。

 是非安心な生活を目指し、将来にわたって家は家族を守る礎であってほしい。計画的に生活設計ができる、返済額の変わらない固定金利をお奨めします。

佐藤 博明  2013年05月10日