家庭経済の耳寄り情報

2013年05月20日

この治療は保険が出る?出ない?

 ライフプランを考える上で医療保険をどうするかは重要な問題です。
保険のご相談をお伺いしている中で、「入院保険に加入していても保険が下りないことが多いのではないか?」との質問されることがしばしばあります。先日知り合いが入院して手術したが給付が受けられなかったなどの噂を耳にされた場合は、その必要性すら疑わしい存在になってしまうのは否めません。医療保険の給付が受けられない理由は2つあると考えています。

 一つ目はその治療内容が保険の給付対象ではない場合です。入院保険に加入していれば、全ての治療が保険で賄えると思われている方もいらっしゃるのですが、一般的に保険会社の入院保険では給付される手術の種類は88種類だけと決められていることをご存知でしょうか?実際の手術はそれ以外に1,000種類ほどあるのです。
例えば、皮膚の良性腫瘍(皮下腫瘍、脂肪腫、粉瘤など)、子宮頚管ポリープ切除、金具を抜く抜釘術 、ガラスの破片を抜く施術 喉にひっかかった魚の骨を抜くなどは88種以外の手術であるため、たとえ麻酔をかけた手術であったとしてもその対象から外れてしまいます。最近の傾向として、こうした小さな手術にも対応ができる医療保険が当たり前になってきています。手術の項目が88種類ではなく、1,000種類が対象となっている医療保険もあれば、月々コスト数百円の特約としてつけられる保険会社もあるのです。

 二つ目の理由は加入時の告知(体の状況を申告する書類)を正しく行わなかった場合です。健康診断の結果が芳しくない人やすでに病気でお薬をもらっている人が正しい告知をしなかった場合、あたりまえのことですが保険の給付対象である治療を受けられても保険金はもらえませんし、最悪の場合はその保険契約自体解除になってしまいます。

 医療保険はその内容が「今の医療現場の治療方法と合っているか」という点を確認することが大切です。例えば、今の医療現場では入院日数が短くなっている傾向にある中、若い時に加入された保険料の安い保険は古いタイプで入院5日以上でないと適用にならないとしたら、たとえ保険料というコストが抑えられたとしても、使い物にならなければ安い保険料ですら無駄になってしまうと私は考えています。
皆様の保険の内容は大丈夫でしょうか。一度ご確認をされてはいかがでしょうか。

山口 晶子 2013年05月20日