家庭経済の耳寄り情報

2013年06月20日

どうすべきか!住宅ローン金利タイプの選択?

 住宅ローン長期固定金利の代表格であるフラット35の金利(最も低い金利)は、返済期間35年で2013年06月2.03%となりました。長期金利の不安定な動きがありますが、今まさにまだ超低金利で推移しているといえます。従来から住宅取得を考えている方は現状長期固定金利型住宅ローンの金利が低いことは極めて有利といえるでしょう。
また、変動金利型の住宅ローンの金利も0.775%(最も低い金融機関)と超低金利の状態が続いています。
金利が低いと元利均等返済では元利均等返済額の元本の減る割合も多く、元金均等返済でも利息部分は少なく魅力的です。ただ返済期間が25年30年35年と長い場合、数年先も読めない不確実な時代ですから、将来に向けては、少しでもリスクとなりうることは減らしたいと考えたいものです。
 大きな買い物であるマイホームに関しては、特にリスクを避けたいですね。大事なマイホームを手放したくないと考えるのは、当然です。その大きなリスクとは、金利上昇リスクです。
 変動金利型の住宅ローンのリスクは、金利が上昇したときに生じます。もちろん、どのくらい上昇するか、どの程度の期間上昇するのかなどで違いはあるでしょう。
そのリスクとは、例 借入額3000万円、0.775%,35年返済、元利均等返済81,577円

① 返済額が変わるのは、5年ごとですが、金利が上昇すれば、6ヵ月ごとに返済額の内訳(元金と利息)が変わります。
元利均等であれば、当初の返済額の元本返済部分が小さくなり、借入残高減り方が鈍ってしまいます。0.775% 返済1回目元金62,202利息19,375=81,577
2.000% 返済37回目元金35,352利息46,225=81,577
2.500% 返済43回目元金24,240利息57,337=81,577

② 5年後に金利が上昇していると、返済額が当初より1.25倍の範囲内で増えてしまいます。仮に1.25倍ずつの場合、返済額81,577→101,971→127,464

③ 借入残高が、思うように減っていかい事態やまったく減らない事態の可能性や、返済額が大きくなりすぎ返済できなくなる可能性もあります。この返済ができなくなる事態が大変な事態です。家の売却も視野に入れないといけない事態です。この事態を避けるために、常日頃あるいは、住宅取得前にライフプランなどのシミュレーションをFPと一緒に作成し、家族と今後の将来を真剣に計画していきましょう。

 アベノミクスの今後はどうなるか分かりません。個人的には、第3の矢である成長戦略が成功してほしいと願っています。
アベノミクスが成功し景気や雇用が回復し賃金アップも実現し、物価が2%に上昇したら日本銀行のゼロ%金利政策の解除が行われるでしょう。その時の金利は3%あってもおかしくないという学者もいます。多くのエコノミストが2%物価上昇は無理といっていますが実現するまでは短期金利は上がらないでしょう。
一方、物価だけが上がって景気は不調で賃金も上がらずスタグフレーション(不況下の物価高)の状態に陥ることも考えられます。この場合金利はそれほど上がらないでしょう。
又、悪いシナリオとして借金大国の日本が信用を失い国債の暴落、利回り上昇、超インフレになるかもしれません。当然日銀は金利を上げないと収まらないでしょう。
変動金利型の住宅ローンの金利は、将来金利が上がることを想定外としているのではなく上がることを想定しているのです。金利リスクを是非意識してください。5年ごとの返済額の変更(返済額の大幅増加)の可能性、返済元本の減り方が鈍る、まったく減っていかないリスクを十分理解してないといけません。
是非安心な生活を目指し、将来にわたって家は家族を守る礎であってほしい。KFP(神奈川県FP協同組合)住宅グループのFPと一緒にライフプラン(生活設計)を作成し、問題点を把握とその解決策を練り安心な生活を目指したいものです。
金利情勢に自信のない方や安全志向の強い方は、返済額の変わらない長期固定金利をお奨めします。

佐藤 博明  2013年06月20日