家庭経済の耳寄り情報

2013年12月10日

びっくり!!今後の世帯家計負担増ほかをまとめると

 2013年4月1日の閣議にて、消費税が来年4月1日から8%へ引き上げることが正式に決まりました。消費増税は平成9年の3%から5%への引き上げ以来17年ぶりのことになります。
今後も10%引き上げを控えていますが、このように増税や社会保障負担の増額等生活者の負担増加になることを以下まとめてみました。
ご参考にしていただき生活防衛に早くから取り掛かりたいものです。

公的年金の減額

① 25年10月1日より公的年金の1.0%減額
さらに26年4月1日より1%、そして27年4月1日より0.5%の減額です。合計2.5%の減額となります。これは過去の「特例措置」で高齢者が本来よりも高い年金を受け取っている「もらいすぎ年金」を是正するというものです。
具体的に金額ベースでは、合計にて国民年金で1.675円、厚生年金の標準的な世帯の場合で5.900円の減額となります。(表1参照、なお厚生年金は夫が平均年収で40年間働き、妻がその期間すべて専業主婦であった標準的世帯)

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国民年金保険料及び厚生年金及保険料負担の増大(すでに決定され、実施中)

① 国民年金保険料の増加
 平成25年度月額15.040円ですが、毎年4月に280円ずつ引き上げられ、平成29年度以降は16.900円で固定されることとなっています。

② 厚生年金保険料率の引き上げ
平成25年9月までは保険料率は17.12%(これを労使折半負担ですので被保険者は8.56%の負担)ですが、毎年9月に0.354%ずつ引き上げられ、平成29年9月からは18.3%に固定されます。
 これを金額ベースでひき直すと、標準報酬月額(ほぼ月給と近い)30万円の人は(負担額は2分の1ですから)、毎月531円の負担増加です。下記計算例算式参照(よって年額では6.372円の負担増加)、最終的には現在より1.18%アップしますので同じく月額で1.770円(よって年額では21.240円の増加)となります。

計算式{ 300.000円×0.354%÷2(負担割合)}
           =531円(月額負担増加金額)

消費税引き上げ

① 2014年4月1日より、3%アップし8%へ(実施決定済み)
② 2015年10月1日より、さらに2%アップし10%へ(2012年6月消費増税法として成立済み)

 年収300万円未満の世帯で、税率が8%にアップすると、消費税金額が年間ベースで現状の96千円から154千円へと58千円も増加します。またこのまま10%となると同じく96千円もの増加です。また、年収1.000万円以上の高額所得世帯では税率が8%にアップ時には消費税金額が現状の237千円から380千円と143千円の増加となり、10%となると237千円も大幅な増加となります。
その影響を図示すると表2のようになります。

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その他

① 復興特別所得税―平成25年1月から平成49年の25年間は震災復興特別所得税として本来の所得税率に0.21%上乗せされています。これによる影響は年収300万円で年間700円、500万円で2.000円の負担増と試算されています。

② または同じく復興絡みで住民税の1.000円(市民税及び県民税各500円)の増税が来年の平成26年度から35年までの10年間増額されます。(ほとんどの人は知りませんが)

 ①及び②などはいつの間にか税金を長期間にわたり増税しており、筆者は復興のどさくさに紛れての増税と個人的には思います。(政府他の説明が周知されていない)

③ さらには、安倍政権の目標としている物価上昇率2%があります。物価が上昇した上に前期の消費税アップということですので、消費者の負担はなお厳しいものがあります。

以上、消費税の2%アップの目標をはじめ、収入減少や社会保障の増加等の家計負担の増加を数字がわかるように具体的にまとめてみました。なかなか厳しい将来であることがお分かりいただけたことと思います。私たち生活者は早めに手を打って、「もったいない」の精神で家計の見直しを図ることが急務ではないでしょうか!!

今泉 明信  2013年12月10日