2013年12月30日
相場格言から探る日本株式市場の行方
2013年12月30日大納会の日経平均株価は16291円の終値で本年最高値を付けて引けました。日中高値も16320円までありました。本年の日本株式市場は尻上がりの相場展開でした。日経平均株価は1月4日大発会の終値10688円でスタートして1月23日の10486円の年初来安値の後、5月23日の日中高値15942円を付けたあと調整に入りましたが11月から為替市場の円安傾向を受け年初来高値を更新しながら続伸し、12月30日大納会は本年高値を付けて大引けとなりました。
理論的には、株価はその企業の将来価値を現在に引き戻したものですが、現実の株式市場ではそうともいえません。高速取引でプログラム売買が多くなってきていますが、人間がやっていることなので合理的に説明できないことも多くあります。
そんなアノマリー(合理的に説明ができないけれども、経験則としての市場の変化)に裏打ちされた相場格言があります。
代表的な格言には「人の行く裏に道有り花の山」(人は相場の人気に左右されやすい。多くの投資家が強気一辺倒で買い人気が沸騰している時は利食い、総弱気の時は買って、人の逆の投資をすると良いとの意味です。)
2014年は干支では午年です。干支に関する格言も有名です。
「午(うま)尻下がり」、「辰巳(たつみ)天井」、「未(ひつじ)辛抱」などといわれています。
では、過去60年間の日経平均株価のデータから「午年」の年間平均騰落率を見てみましょう。5回めぐってきた「午年」の平均騰落率は7.5%の下落です。過去の「午年」で日経平均株価が上昇したのは1966年の2.4%、1973年の23.4%です。下落したのは1954年の5.8%、1990年の38.7%、2002年の18.6%です。勝敗は2勝3敗の結果です。
「辰年」はどうでしょうか。年間平均騰落率は9.9%の上昇です。上昇は1976年の14.5%、1988年の39.9%、2012年の22.9%です。下落は1964年の0.7%、2000年の27.2%で勝敗は3勝2敗でした。
過去の干支別の日経平均株価騰落率を見てみましょう。
干支 相場格言 年間平均騰落率 勝敗
子(ネズミ) 繁栄 23.8% 3勝2敗
丑(ウシ) つまずく -0.1% 3勝2敗
寅(トラ) 千里を走る 3.6% 1勝4敗
卯(ウ) 跳ねる 7.0% 3勝2敗
辰(タツ) 天井 9.9% 3勝2敗
巳(ミ) 天井 15.2% 3勝2敗
午(ウマ) 尻下がり -7.5% 2勝3敗
未(ヒツジ) 辛抱 7.7% 3勝2敗
申(サル) 騒ぐ 10.4% 4勝1敗
酉(トリ) 騒ぐ 15.0% 4勝1敗
戌(イヌ) 笑う 9.8% 4勝1敗
亥(イ) 固まる 16.2% 4勝1敗
(ウィキペディア、日経平均公式ガイドブックのデータを参照し作成)
過去のデータから集計したもので、2014年午年の株式市場がこのようにいくかどうかは分かりません。株式投資を考えるのに参考にしていただければと思います。
株式投資は読者の皆様の自己責任でお願いします。
金井 剛 2013年12月30日