家庭経済の耳寄り情報

2014年05月10日

平成26年の家づくり3大キーワード

 平成26年4月から消費税が8%に上がり、また平成27年10月からは10%に上がる予定です。それに伴い財務省、国土交通省他が住宅取得の優遇策を打ち出しています。
平成26年度は以下の3つのキーワードを理解して賢い住宅取得につなげたいものです。

その1.住宅ローン減税制度の大幅拡充 (平成26年4月1日より)

①この制度は、毎年末の住宅ローン残高の1%を所得税から10年間控除するものです。減税措置がローン残高で最大4,000万円に拡充され、所得税控除額が最大で400万円にもなります。(一般の住宅の場合)

【従来】平成26年3月までに入居の場合
 消費税5%時
( )内は認定長期優良住宅または認定低酸素住宅の場合
控除対象借入限度額   2,000万円
控除率(期間)     1.0%(10年間)
各年の所得税控除額上限 20万円(30万円)
最大所得税控除額    200万円(300万円)

【新制度】平成26年4月~平成29年12月までに入居の場合
 消費税8%・10%時
( )内は認定長期優良住宅または認定低酸素住宅の場合
控除対象借入限度額   4,000万円(5,000万円)
控除率(期間)     1.0%(10年間)
各年の所得税控除額上限 40万円(50万円)
最大所得税控除額    400万円(500万円)

②また、所得税から控除しきれない場合、翌年の住民税からも一部控除できますが、この控除額も9.75万円から平成26年4月以降13.65万円に拡充されます。
なお、控除を受けるためには一定の要件がありますので確認しましょう。


その2.すまい給付金の新設

 上記の住宅ローン減税は、支払っている所得税等から控除する仕組みであるため、収入が低いほどその効果が少なくなります。すまい給付金制度は、住宅ローン減税の拡充による負担軽減効果が十分に及ばない収入層に対して、住宅ローン減税と合わせて消費税率引上げによる住宅取得の負担軽減を図るものです。
なお、新築住宅は勿論中古住宅も対象となりますし、現金取得の場合にも、年齢が50才以上で収入額の目安が650万円以下の場合に対象となります。
給付基礎額が住宅取得者の取得時に適用される消費税率に応じ設定されています。収入額(都道府県民税の所得割額)によって給付基礎額が決まり、給付基礎額に登記上の持分割合を乗じた額が給付されます。消費税率8%時には年収510万円以下、10%になった場合は年収775万円以下の住宅購入世帯に給付される予定です。
すまい給付金の給付額=給付基礎額×持分割合(夫婦共有の場合など)

【消費税8%の場合】
収入額の目安      都道府県の所得割額    給付基礎額
425万円以下       6.89万円         30万円
425万円超475万円以下   6.89万円超8.39万円以下  20万円
475万円超510万円以下   8.39万円超9.38万円以下  10万円

【消費税10%の場合】
収入額の目安      都道府県の所得割額    給付基礎額
450万円以下       7.60万円以下       50万円
450万円超525万円以下   7.60万円超9.79万円以下  40万円
525万円超600万円以下   9.79万円超11.90万円以下  30万円
600万円超675万円以下   11.90万円超14.06万円以下 20万円
675万円超775万円以下   14.06万円超17.26万円以下 10万円


その3.住宅ローン金利は、最低に近く超低金利

 たとえば、直近平成26年4月適用の金利においては
①長期固定金利のフラット3の平成26年4月の最低借り入れ金利は、1.75%です(借入期間20年以上、融資率9割以下の場合の金利・住宅支援機構との提携商品ですが金融機関ごとに借入金利が異なります)
②10年固定金利選択型では、最優遇金利で1.1%から1.3%程度
③変動金利ではなんと最低金利は0.65%です

いずれも、史上最低金利に近いといって過言ではありません。

以上、平成26年以降住宅取得は従来以上に優遇されているといえますので住宅取得を検討するには環境が良い時期と思われます。しかし、住宅取得は家族構成や年齢、ライフプランを検討したうえで、資金計画をしっかり立てることが重要です。後になって折角のマイホームを手放すことの無いようにしたいものです。そのためにも事前にキャッシュフロー表などライフプランのご相談をお勧めします。

今泉 明信  2014年05月10日