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2014年05月20日

10代から働いていて、そろそろ退職しようかと考えているあなた!年金が多くもらえる厚生年金の44年特例というのをご存じですか?

 現在では、定年が60歳より引き上げられたり、継続雇用制度等により希望すれば65歳まで働ける環境になっていると思います。でも、65歳までは働かずに辞めて新しい生活をしようと思っている人もいるでしょう。

 退職後の生活に大きくかかわってくるのが年金です。
現在、老齢厚生年金は生年月日に応じて段階的に支給開始年齢が引き上げられています。
たとえばAさん(4月15日生まれの方で、現在60歳)は、今辞めると61歳から報酬比例部分のみ受給できて、65歳以降に定額部分も含めて満額もらえるようになります。
このことは、退職しようと考えている人ならだいたいご存じの方が多いと思います。

 でも、厚生年金保険には長期(44年)加入者の特例という優遇措置があることをご存じでしょうか?
元々は、中卒で60歳まで働いていた人を想定した制度でしたが、定年が伸びたことにより高卒の人などでもこの特例に該当する人が出てきています。

 Aさんが実は高校卒業と同時に働いていて、あと3年間働いて厚生年金の加入期間を528ヶ月(44年)として辞めると、本来 65歳にならないともらえない定額部分(年間約77万円)が63歳からもらえるようになります。
また、Aさんに同居している妻(現在57歳 専業主婦 厚生年金保険10年加入)がいれば、同時期から上記に加えて加給年金約38万をもらえます。
このAさんの場合、この特例を知らないで527ヶ月で辞めるのと、知っていて528ヶ月としてから辞めるのでは、たった1ヶ月の違いが年金受取額で(77万円+38万円)×2年=230万円の差となってきます。

 10代から厚生年金保険に加入している方は、この「長期加入者の特例」の要件である「528ヶ月(44年)」まで、60歳の時点で、あと何か月足りないかを「年金定期便」や「年金事務所」などで確認しておきましょう。
そうすることで、今後の人生設計の選択肢が広がると思います。

もう少し詳しく知りたい方は年金事務所やファイナンシャルプランナーにご相談ください。

注)以下、「日本年金機構の年金の請求手続きのご案内 」-より抜粋
特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分のみ)を受けられるようになった時、厚生年金保険の加入期間が44年以上ある方は、定額部分の支給開始年齢に関わらず、該当した月の翌月から報酬比例部分と定額部分をあわせた年金額が支給されます。
(ただし、該当したとき被保険者である場合は、退職した月の翌月(退職が月末の場合は、退職した月の翌々月)からとなります。)
※加給年金の加算要件に該当する場合は、定額部分に加給年金が加算されます。
※老齢基礎年金の一部繰り上げを請求された方は、この特例は適用されません。
※上記特例に該当している間に、厚生年金保険の被保険者として再就職した場合は、特例による定額部分(加給年金を含む)の支給は停止されます。

磯野 正美 2014年05月20日