2014年06月10日
注目されるROEと新指標「JPX日経400」
ROE(自己資本利益率)は 純利益/自己資本×100 で表わせられます。いわば株主の利回りとも言えるものです。日本の経営者は長い間ROEにはあまり重視してきませんでした。それで海外の投資家はジャパン・パッシングをして日本株投資を素通りしてきましたが、今や日本の経営者も一斉にROEを高める努力をしてきており、海外の投資家も日本株を積極的に注視しています。
そこでROEを中心に選定された新指標「JPX日経400」を見てみましょう。
新指標「JPX日経インデックス400」の素顔
ROEなどを基に銘柄選定された新指標は略して「JPX日経400」と呼ばれ、東証第1部、第2部,マザース、ジャスダックの上場銘柄約3400銘柄を対象として、400銘柄に絞って選定されたものです。今年1月6日から算出されています。(指数計算の起算日と基準値は平成13年8月30日=10000ポイントとなっております。)
それではこの指数への組み入れ銘柄はどのようにして選定されてきたのでしょうか?
銘柄選定は大きく分けて2段階あります。
1.東証上場の全約3400銘柄の中から、3年間に債務超過だった企業などを除き、直近3年間の売買代金の多い銘柄の中から1000銘柄を選定し、3年平均ROE、3年累積営業利益、直近の時価総額の3つの指標について、それぞれ、1位1000点~最下位1点 と順位スコアを付け、ROEは0.4、営業利益は0.4、時価総額は0.2のウエートを掛けて総合スコアを算出します。(ROEは40%ものウエートが掛けられています。特にROEを選定基準にした株価指数は珍しいと言えます。)
2.経営への定性評価による加点を行います。2人以上の独立した社外取締役の選任、国際会計基準の採用、決算情報の英文開示の3項目を勘案してスコアを加点し、上位400銘柄を選定します。
毎年、8月末に定期銘柄入れ替えを行います。この組み入れ銘柄に採用されるために努力をするなどの目標が企業に共有されれば、日本株全体の投資魅力を引き上げる効果も期待できます。
「JPX日経400」はROEが高く、利益水準の高い、いわば「日本の優れた会社」をワンパッケージにしたものと言えましょう。
「JPX日経400」と連動するインデックスファンド、ETF等が、今、注目されています。
岡野 征治 2014年06月10日