家庭経済の耳寄り情報

2014年08月10日

人生最後のイベント、お葬式やお墓代はどのくらいかかるか

 リタイアメントプランに算入すべきものとしてお葬式やお墓の費用があります。お葬式の仕方やお墓の有り無しで大きな差がありますが、いざとなると気持のゆとりや時間もなく、葬儀社の言う通りにせざるを得なくなることが多く高いものになりがちですので、予め場所や仕方等を決めて遺しておくこともこれからの行き方だと思います。

 葬儀費用の総額は全国平均が200万円、東京・神奈川・埼玉地区(以下、関東B地区という)では222万円という調査データ(※1)があります。またお墓の平均価格は全国が183万円、関東B地区では233万円となっています(※2)。新たにお墓を作る人は葬儀費用と合わせて全国平均では383万円、関東B地区では455万円必要です。
上記調査(※1)はデータがやや少なく偏りが大きいと言われているため、平均値より中央値を「世間並」とする方が良いと思います。
世間並みの葬儀費用は
①通夜からの飲食接待費18万円
②寺院の費用(読経・戒名・お布施等)44万円
③葬儀一式費用(お棺・祭壇・寝台車等)111万円、総額は173万円、関東B地区は192万円
となっています。

 葬儀費用の節減ポイントは上記①の通夜からの飲食接待費と③の葬儀一式費用だと思われます。
飲食接待費は会葬者の数とお酒や料理の質で大きく違います。料理は1人当り3,000円~12,000円と大きな幅があります。
葬儀一式費用はお棺や祭壇の質と供花の質と数で違いが生じます。供花は1つ当り1.0~1.5万円、花屋さんに直接頼むことも可能です。
また②の寺院の費用の内、戒名の費用が高いと言われていましたが、年々安くなる傾向だそうです。

 お墓の費用は①墓石価格、②永代使用料、に分れます。
①墓石価格の全国平均は131万円、関東B地区平均は152万円、
②永代使用料は全国平均が2.7㎡で52万円、関東B地区平均は2.0㎡で81万円です。因みに東京・神奈川では1.1~1.2㎡と猫の額になっています。

 昨今は家族葬が多くなっていますが、筆者は妻と「葬式やお墓にお金をかけるより、その分遊ぶ方が良いね」と話しています。果たしてどうなるでしょうか。葬儀費用は本人や子どもの社会的な地位や年齢で様々でしょうが、本人の意思をエンディングノート等に記す、或いはリタイアメントプランにラフで良いですから具体的に遺すことをお奨めします。

※1:日本消費者協会「第9回葬儀についてのアンケート調査」(平成22年12月)による
※2:いいお墓お客様センター「第4回お墓の消費者全国実態調査」(平成24年12月)による

仁科 眞雄  2014年08月10日