家庭経済の耳寄り情報

2014年10月10日

お得な株主優待

 今回は株主優待についてです。

 自分が株主になってる企業から毎年お中元やお歳暮が届く。中身は、お米だったり、お菓子の詰め合せだったり、遊園地無料入場券だったりとさまざまです。企業によって、送付される商品や時期はまちまちですが、株主優待のイメージはだいたい上記のような感じです。最近では、株主優待だけで生活しているといわれてる元将棋棋士桐谷さんがメディアなどに度々登場してますので、株主優待の認知度も上がってきていると思います。

 この株主優待と配当を合わせた金額を、投資金額で割って実質利回りを計算すると、数%となる銘柄がたくさんあります。
銀行に預けていても、ほんのわずかな利息しか付かない現状、優待銘柄を買って長期保有するのもいいかもしれません。

 では、どのように銘柄を選び、いつ買うのがいいのかでしょうか?
次のように考えたらいいと思います。

■どの銘柄にするか

 ネット上には、株主優待ランキングなどで検索すると、いろいろなところでランキングを出しています。
そこで、自分にあった投資金額、例えば20万以下で総合利回りランキングなどをみて、単に高利回りのものを選ぶのではなく、本当に自分がその優待を使うのかどうかで判断すればいいと思います。

総合利回りというのは、
(優待の価値と配当金の年間合計額)÷ 株価 × 優待を得るための最低株数
優待がなくても、いつも買っているとか使っているというような商品ならOKです。
利回りがよくても、実際には使わない可能性があるようなものは換金しようとしても、かなり低い値段になってしまうこともあります。

 たとえば、家電販売店のノジマの優待は、半年毎に1万円について10%割引の券が10枚届きます。
つまり1年間で2万円分の割引です。この原稿を書いている9月30日のノジマの株価終値は641円でした。
100株以上で優待を受けられますので、投資金額64,100円で優待が2万円、さらに会社予想配当が24円なので100株で2,400円を得られます。
なんと総合利回りは
 22,400円 ÷ 64,100円 = 34.9% 
という高利回りになります。
この数字は年間20万以上の買い物をするならという条件に合えばです。
20万まで買い物をしないまでも、iPhoneやipadなど、高額で定価販売のような商品などを現金一括購入するような方にはお勧めです。

 では自分では買い物をしないので、オークションで売ったらいくらになるでしょうか。
最近の実績をWEBで検索するとだいたい1枚当たり150円~200円程度のようです。
優待価値は1/5以下になってしまいます。
この場合の利回りは
(150円 × 年間20枚 + 配当2,400円)÷ 64,100円 = 約8.4%
オークションの手間とか考えれば実質もっと低い価値になります。

■いつ買うのがいいのか

 その会社の配当や株主優待の権利を得るためには、「権利付最終売買日」から「権利落ち日」をまたいで当該銘柄を保有する必要があります。
そのため、10月が決算月で10月31日に権利確定日の会社の場合、10月31日に買ってもダメで3営業日前の10月28日までに買っておく必要があります。
10月29日に売っても権利は得られます。ただ、権利落ち日は一般的に配当分や優待分以上に株価が下がるのもめずらしくありません。
人気のあるような銘柄は、その時期に近づくにしたがって株価も高くなる傾向があるので、「権利付最終売買日」よりも1、2ヶ月前に買ったほうがいいかもしれません。
株価チャートなどを見て、過去の実績などをみて判断してみてください。

 中には、非常にまれですが、キューピーのように株主になってから3年経過しないと優待を得られないというケースもあります。これは、会社としては、長期に会社を応援してくれる株主に報いたいとの気持ちで優待をあげるので権利の直前に買って、その後すぐに売却するような人には優待をあげたくないという会社の意思です。

■何株買うか

 最低取引単位を単元と呼び、銘柄によって、1株、100株、1000株のように決まってます。
株主優待は、一般的には最小限の単元株でもらえるところが大半ですが、銘柄によっては、その何倍かだったりすることもあります。
また、持ち株数によって商品がグレードアップするような制度を導入しているところもあります。
何株買えば、どのような優待が得られるのいか、その会社のホームページなどで確認してみてください。
優待利回りの面から見れば、優待がもらえる最低株数を買うのが一番効率がいいと思います。

磯野 正美 2014年10月10日