家庭経済の耳寄り情報

2015年11月10日

住宅ローンを借りたが働けなくなったらどうなるか!

 現在の住宅ローンの金利は超低金利で推移しています。固定金利型住宅ローンや変動金利型住宅ローンは利用者にとって金利の環境はいい状態です。

 自己資金だけで家を持つ方々より住宅ローンを組んで家を獲得する方々が圧倒的に多いのも事実です。万が一の場合には団体信用生命保険があります。銀行の住宅ローンであれば、強制的に加入しなければなりません。選択により団体信用生命保険も死亡のみではなく3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)など一定の条件に該当すれば死亡同様に債務がなくなる商品もあります。

 長期固定金利住宅ローンの代表的商品であるフラット35の団体信用生命保険(任意加入)の3大疾病付機構団信で急性心筋梗塞及び脳卒中の給付要件の追加がされて、平成27年10月1日以後の手術から対象となりました。

急性心筋梗塞の場合
1、医師の診療日を含め60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断された時、
追加で、2、急性心筋梗塞の治療を直接の目的として病院などで手術を受けたとき(手術とは器具を使い、生体に切断、摘除などの操作を加えるもので、開頭術、開胸術、ファイバースコープ手術、血管・バスケットカテーテル手術など)

脳卒中の場合
1、医師の診療日を含め60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師が診断されたとき、
追加で2、脳卒中の治療を直接の目的として、病院等で手術を受けたとき(手術とは上記急性心筋梗塞と同様)

参考に40歳男、6000万円借入25年返済 フラット35S 当初0.95%、11年目以降1.55%
① 死亡・高度障害の団信 1年目(年払い)214,700円、累計287万円
② 3大疾病付団信     1年目(年払い) 328,000円、累計438万円
病気やケガなどで働けなくなると、会社員であれば健康保険から、傷病手当金として給料の約3分の2が支給され、期間は最長で1年半とされています。

 住宅ローンを借りた方がその後働けなくなる事を考えると心配ですね。働けない状態とは、高度障害、特定の身体状態、要介護状態などになり一定期間復帰が難しい状態が想定されます。大黒柱の収入減少は、家計を直撃いたします。

いくつかの生命保険や損害保険を見てみましょう。

民間S生命の生活保障特則付家族収入保険(非喫煙標準体)
40歳男性 月20万円 25年 死亡保障当初6000万円 年保険料137,520円 累計344万円
死亡・高度障害のみでなく、特定障害(身体障害者福祉法1級2級3級、身体障害者手帳の交付)、S社所定の要介護状態または公的介護保険要介護2以上の場合、支給される。
公的介護保険の要介護2級が1級に回復されてもずっと支給されます。

損害保険会社M社の所得補償保険
病気やケガなどで就業不能となり、免責期間を超えて継続した場合、所得補償保険金を支払います。てん補期間1年又は2年、就業可能の日まで補償します。精神障害が原因は支払いしません。紙面の関係で他の支払いしない場合は割愛します。
40歳男性 事務職(1級) 1年契約、月20万円
補償てん補期間2年 免責4日 年保険料 52,120円
補償てん補期間2年 免責60日 年33,700円
補償てん補期間1年 免責4日 年39,340円
補償てん補期間1年 免責60日 年22,900円

L生命 就業不能保険
40歳男性 月20万円 65歳まで 年保険料約57,000円
就業不能状態とは、
①病気やケガで国内の病院等に入院している状態
②医師の指示で在宅療養をしており、職種を問わず、全ての業務に従事できない状態
②の状態が180日を超えて継続したとの医師の診断により請求できます。
うつ病などの精神障害が原因の場合、むち打ち症や腰痛など医学的他覚所見が見られない場合、給付できません。死亡保障はありません。就業可能になれば支給停止になります。

以上、働けない状態を心配される方は、商品によって保険金の保障内容(損害保険 補償内容)・給付条件や支払いの期間・保険料などが違います。
ご自分に適した商品を良く御検討ください。

佐藤 博明 2015年11月10日