2016年02月10日
“IoT”が変える我々のライフスタイル
「価値観の多様化が、新しいライフスタイルを創造していく」…情報通信技術の進歩に伴い、ヒト、モノ、情報などが地球規模で移動するグローバル化が年々進んでいます。時代や分野に応じて変化しながら、モノや情報の中には、私たちの生活に大きな影響を及ぼすものが数多く生まれています。
まもなく自動車、住宅、家電製品、更には都市部の道路のすべてが接続され、さまざまな「モノ」のネットワークが形成されていきます。これこそが“IoT”です。IoTとは、「Internet of Things」の頭文字を取った単語で、日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。IoTを簡単に説明すると、身の周りのあらゆるモノがインターネットにつながる仕組みのことです。
IoTは、PCやスマートフォン、タブレットといったIT関連機器だけではなく、自動車や家電、アクセサリーなどこれまでネットワークとは無縁だったモノが次々とインターネットにつながり活用されています。しかしそれらばかりではありません。医療や農業、気象などあらゆる産業や業種に影響を与えるとされ、時計やメガネといったウエアラブル端末やヘルスケア端末など身近なものとして我々の生活に幅広く浸透していき、2020年におけるIoTの世界市場規模は、9兆ドル(約1,100兆円)と予測されています。
IoT(モノのインターネット)は、3つの要素で構成されます。
1. センサー(スマホ・ウエアラブル等)によるデータ収集
2. それらを相互接続する通信ネットワーク(SNS・ネット閲覧等)
3. データを分析処理して利用するためのコンピューティング・システム
現在、実用化が進んでいる実例を幾つかご紹介します。
① 大手電力会社10社は、通信機能がついた電力計「スマートメーター」を2024年度末までに管内のすべての
家庭に設置すると発表しました。これが実現すると、単に電力使用量の把握が自動化され、料金メニュー
を多様化できるだけではなく、周辺の様々な機器と連携した新たなサービスが期待できます。
② アメリカ電気電子学会(IEEE)によると、「2025年までには、走行中の車の6割がインターネットに接続
されている」と予測しています。将来の実用化に向けて、世界の自動車メーカーは「自動運転システム」
の開発を急いでいます。自動運転システムにより、センサーを搭載した自動車は「走る」「回る」「止ま
る」などの動作を自動で行うことができます。また、交通ルールを理解した人工知能( AI =Artificial
Intelligence)が、道路や交通状況、道路標識などを正しく理解、その先の状況を予測し、安全でスム
ースな自動運転を行う技術も2020年を目途に実用化されていく計画です。
最近はテレビをインターネットに接続したり、職場からスマートフォンで録画予約をしたりできます。エアコンについても同様に、スマートフォンで遠隔操作することにより、帰宅時間に合わせて室内を最適な温度に保つことができます。
東京オリンピックが開催される4年後の2020年には、IoTによって我々の生活は快適にコントロールされ、インターネットの普及により大きく変わった我々のライフスタイルも更に大きく変わっていくことでしょう。
滝田 知一 2016年02月10日