2016年03月30日
日本の子供達に未来はあるか?
毎日新聞の2016年2月18日の記事に子育て世代の貧困率が出ていました。
山形大学の戸村健作准教授の研究結果だそうです。2012年のデータです。
39都道府県で子育て世代の10%以上が生活保護費以下の収入で暮らす貧困状態だという事です。
1997年に70万世帯だった貧困世帯数が2012年には146万世帯に増加、少子高齢化が叫ばれているのに、
国は手を打ってこなかったとしか言いようがありません。
厚生労働省は、国民生活基礎調査として国全体の17歳以下の子供の貧困率を2012年には16.3%と発表しています。
私たちフャイナンシャルプランナー(FP)は、日々色々な方からのご相談を受けていますが住宅相談、
保険の見直し、相続、資産運用、家計の見直しなどテーマは様々です。
ただこの数字を見ると、FPとして子育て世代の貧困にあえいでいる方にもっと手をさしのべ、安心して
子育てができる環境つくりに貢献したいと実感しました。
非正規労働での収入の低さや、パートでの働き方での不安定さがあるのはもちろんですが
若い世代の方の中には、基本的な家計での収入、支出、貯蓄の考え方に知識不足があり、使ったもので余っ
たら貯蓄に回す、でも毎月残らず赤字でやりくりをしたり、カードでの買い物でリボ払いを選択したりと、
お金の流れや、仕組みについて知らない方が多いように感じます。
(カードでのキャッシングをしていて金利について知らない等のケースも見受けられます)
家計相談で貯蓄ができないとご相談に来る方の中には、携帯代や、通信代がビックリするほど多かったり、
私たちが使途不明金と呼んでいる、何に使ったか把握できていない支出にきづいていないことが原因だった
りします。
住宅購入の希望も、住宅会社や周りの情報に踊らされ、本当に自分たちの希望や将来への生活設計が
できていないので、振り回されがちになっている方がいます。
日本では昔から、家庭や学校でも生活とお金の関係について、家計経営などの教育はされてきません
でした。経済が発展し、高度経済成長の時代は細かいお金について語ることは、はしたないと思われる
風潮があり、親も子供達にお金の話はしませんでした。
今は色々なインターネットで便利な仕組みが出て、カード払い、ネット決済、スマホやパスモなどの
支払い、ネットバンキングなど目に見えないお金が出回っています。
お金は手元にはありませんが、ものは手に入れることが可能です。
最近では教育ローンで学生の時から、債務をかかえ社会に出るときにはゼロからのスタートでは無い人
の数も増えています。
だからこそ基本的なお金の知識とライフプラン(将来への自分の生活を設計すること}は重要です。
働き方で、将来もらえる年金(障害年金も含む)、雇用保険、育休制度や自治体による子育て支援制度など、
地域によって差の出るものも含めて、もらえる給付を知ってほしいです。
日本の給付制度は申請をしなければ恩恵を受けられない事がほとんどです。
知っているのと知らないのでは差が多く出ます。
貧困世帯のかたは必死で現在の生活に時間とエネルギーをとられがちですが、できるだけ早めにライフ
プランの考え方のアドバイスが受けられるように、国や、自治体などがサポートしてほしいものです。
2015年から、生活困窮者自立支援法が実施されましたが、若い子育てママ達にとってはこの名称は中々
なじめません。一緒に『子育てママ応援相談』などの言葉もほしいところです。
ライフプランはいつでも誰にでも、年齢に関係なくいつからでも必要なことです。
あなたの大事な人生のライフプラン、ぜひ一緒に立ててみましょう。
お待ちしています。
佐藤 房子 2016年03月30日