家庭経済の耳寄り情報

2016年09月20日

24時間訪問介護「定期巡回・随時対応サービス」が本人も家族も救う

 人生最後の段階に差し掛かっても、出来るだけ人に迷惑を掛けずに、自分で出来ることは自分でやりたい。でも、自分一人では生活できずに家族に負担をかけてしまう。
そんな葛藤を解決してくれる24時間訪問介護サービスを報告したい。

 2012年4月厚生労働省創設の「定期巡回・随時対応型訪問看護」が開始された。
従来の訪問介護では不足している要介護高齢者の在宅生活を24時間支える仕組みとしてスタートした。しかし、2016年5月の実施事業所は、882事業所で、訪問介護33,911事業所(2014年10月)の内の2.6%しか実施していない。

 「定期巡回・随時対応サービス」は従来の訪問介護サービスと何が違うのか?
このサービスによって何が実現できるのか?報告します。

 従来の訪問介護サービスは
通常、ヘルパーは1週間に何日か来て、一日一回のサービスを30分以上行います。
 それに対して、定期巡回・随時対応サービスは一日に数回30分以内のサービスを提供します。また、緊急時も呼び出しコールをすれば、連絡に応じて24時間駆けつけてくれます。
家族などのの介護者に代わって、排泄・食事支援・水分補給など欠かせないサービスから、緊急時の発熱、転倒、体調不良にも対応します。

 世の中、老人ホームから自宅介護への流れもあります。
介護される本人は自宅で過ごしたい方も多いと思いますが介護する家族の方の負荷は大きなものとなります。
勤めをしていれば、会社を辞める事になるかもしれません。
子育て中であれば、子育てと介護のダブルパンチになります。
介護者は息抜きが出来ないのが大変だと聞きます。

 介護者に代わって、必要な時に必要なだけ(一日数回)面倒を見てくれるのが24時間の訪問介護サービスです。その間に家族は息抜きが出来ます。また就業を続ける事が出来るようになった人もいます。

 また、介護だけではなく理学療法士を派遣してリハビリも行う施設もあります。
自立出来るように、安全に体を動かし、自分で出来る範囲を拡大していくのです。介護度が下がるようになれば本人も厚生労働省も喜ぶことでしょう。
 定期巡回・随時対応サービスが展開されている大和郡山市では、導入されてから特別養護老人ホームの待機者数が大きく減少したそうです。

 もう一つ大事な視点があります。
密度です。
定期巡回・随時対応サービスは、複数の人が介護者宅を訪問します。
移動時間が短いほどいいので、広域ではなく同一地区に介護者が多くいればヘルパーは効率よく廻れます。よって、定期巡回・随時対応サービスの認知度を上げて、契約者を増やし、介護者の密度を増す事が事業運営でも大事なことになります。

 箱モノからサービスへ、老人ホームと言う入れ物から、24時間訪問介護サービスへ、
介護者(市民・国民)を地域で支えていく、あるべき姿になっていく事は、皆が望む事だと思います。しかし、まだまだ認知度が低いサービスです。
 私も、いざとなれば、特養ではなく、「定期巡回・随時対応サービス」を選びたいと思っています。

北條 文明 2016年09月20日