家庭経済の耳寄り情報

2016年09月30日

生命保険を活用した遺産分割資金準備

 相続財産の大半が不動産で、財産分割が困難な以下の場合について、相続対策としての生命保険の活用について解説します。


相続人:  長男 長女
相続財産: 不動産(自宅)5,000万円、預貯金1,000万円

① 「長男に自宅を相続させる」という遺言がある場合
長女は遺留分(法定相続分×1/2)までは絶対ほしいと、
あと500万円(1,500万円―1,000万円)を要求します。

② 遺言書がない場合
長女が法定相続分である3,000万円まで請求する権利があります。


上記のような場合で、遺産分割の一手法である代償分割を利用することで相続手続きを円滑に進めることができます。
代償分割とは、一人は財産の大半または全部を取得する代わりに、他の相続人に対して自分の所有する財産を渡す方法です。
この場合の代償分割交付金の準備に生命保険が有効です。

相続発生の財産の受渡関係は以下の通りです。

(↓画像をクリックすると拡大します。↓)

(注)生命保険金は「受取人の固有財産」であるため、代償交付金として
利用できます。また相続財産には含まれないとされており、遺産分割の対象外です。遺産分割協議書のなかで、贈与ではなく代償分割であることを明確にする必要があります。

佐藤 博信  2016年09月30日