家庭経済の耳寄り情報

2017年01月20日

住宅を購入で将来想定される3つのリスクと対策

そろそろ うちも家を購入しようか。
このコラムをお読みの方は、少なからずこう思っている方が、いらっしゃるのではないでしょうか。
ご承知の通り、家を買うとなると、ほとんどの方は住宅ローンを組み、長きに渡り支払いが続きます。また、その場所に長く住むことにもなるでしょう。
ですので、家を買う際には、現状だけではなく、自分たちの20年先30年先を見据えた姿を想定して、返済プランを立て家の場所を決めることが重要です。
しかし人生には、さまざまなリスクがつきもの。
そこで、今回は、これからの私たちに起こり得る「リスク」を3つ確認し、どのような点を考慮して住宅を購入したらよいのか、さらにはどう対策を立てておくべきかについて、考えてみたいと思います。

一つ目は、所得の変化で起こるリスクと対策です。
サラリーマンの給与体系は、20代から徐々に増えていき、50歳前後でピークを迎え、その後は減っていく構造がほとんどです。ただし、これは同じ会社で働き続けることができた場合であって、途中で会社が倒産したり、リストラされたりする危険性を考えると、順調に所得が増えていくとは限りません。また、40代を過ぎると病気のリスクが高まり、働けなくなることもあるでしょう。その際に助けとなるのは、貯蓄や保険です。従って、今の給与で目いっぱいに住宅ローンを組むのではなく、貯蓄できる余裕を持ち、いざという時に備えて民間の保険に加入しておくことも対策となります。

二つ目は、家族の人数の変化で生じるリスクと対策です。
家を初めて購入する層は、子供がこれから生まれる、もしくは小さい子供のいる家庭が多いようです。昨今の日本は少子化と言われていますが、一人産んだ後に、もっと子供が欲しくなるケースもあるでしょうし、予想外に子供ができることも少なくありません。
つまり、これから家を購入する際には、今の家族構成だけで考えるのではなく、家族の人数の変化に対応できる間取りを選ぶことや、いざという時にはリフォームできるよう、そのための資金を貯めておくことが大切です。

三つ目は、生活の変化に伴って起こるリスクと対策です。
例えば、駅から離れた場所に家を購入したとします。一般的に駅から離れている地域は、駅の近くの物件より安くて広い家を購入できるため、所得が高くない若い人でも、価格的に手が届きやすいものです。若いうちは体力もあるので、駅までの距離をあまり感じないかもしれません。しかし歳を取るに連れて、若いうちは気にならなかったその距離が、辛く感じるようになるかもしれません。
「そうなった時は、家を売って駅の近くへ引っ越しすればよいのでは?」という考え方もあります。ところが、駅からあまり離れていると、場所によってはなかなか売れないというケースが多くみられるようです。
ここで大事なのは、物件選びは今の生活だけを考えるのではなく、将来売ることも加味して選ぶことです。あとあと後悔する確率を少なくするために、よく考えて購入しましょう。

以上、今回は3つの事例をご紹介させていただきましたが、住宅購入は他でも色々悩むことが出てくると思います。
そのような時は、ぜひ住宅に詳しいファイナンシャルプランナーへ相談すると良いでしょう。

小澤 美奈子 2017年01月20日