家庭経済の耳寄り情報

2017年05月30日

多様化の時代を生き抜く、おひとり様のライフプランを考えよう

多様化の時代を生き抜く、おひとり様のライフプランを考えよう

 結婚をしたことの無い人の割合(生涯未婚率)は、女性が1970年代から較べると約5倍、男性は14倍に増えています。離婚したり死別したりでのおひとり様の数は更に増えます。

 右記の表は50歳時点で一度も結婚をしたことの無い人の割合を示す、生涯未婚率です。
 女性は、1970年代から較べると約5倍、男性は14倍に増えています。
 この図では生涯未婚率ですので、離婚したり死別したりでのおひとり様の数は更に増えています。 

 2035年では男性29%(3人に一人)女性は19.2%(5人に一人)と思われがちですが、この表は生涯未婚率、一度も結婚したことの無い人です。
 おひとり様になっているのは死別、離婚なども含まれますので、国が試算した数字では2035年には48%(2人に一人)ということです。
 個人相談に見える方や私の回りでも、確実に一人で将来に不安をかかえている方が多くなっています。

 先日昔の友人と50年ぶりに再会した会があり、その中に8年ほど前に結婚したという方がいました。
 60歳を直前にしての結婚で相手の方は一回りほど若い方です。
 公務員で、趣味も多く、日常生活に不便が無かったので、今まで中々結婚に踏み切れなかったが、リタイア直前になりこのままずっと生涯独身でいることに精神的な不安を感じたとか。
 趣味が一緒で、身近に友人としていた方がお相手ですが、世界が広がり生活に張りが出て満足しているそうです。
 彼は健康で、スキーやテニスなどのスポーツを楽しむ毎日ですので、介護や病気になっての不安は感じなかったのですが、寂しさやむなしさが強かったと言っています。

 女性や男性でも高齢の親の介護と仕事で、結婚のチャンスの無いおひとり様は多くいます。

 介護で退職まで待たずに仕事を辞めざるを得ない方も多く、この方が高齢になったときのご自分の生活も厳しく、社会との孤立や経済的要素も不安の基です。

 社会保障制度や年金制度は、昔の平均的な家族制度を前提に作られています。
 死別した子供のいる配偶者には遺族年金や遺族基礎年金が支給されますが、子供のいない非正規や派遣、自営業者の配偶者との死別では保障が薄いか、無い状態です。

 離婚したシングルマザーの平均的年収も低く、別れた相手からの養育費なども支払われない方の貧困率も高い状況です。
 シングルマザーの8割が就労、平均年収223万円、正規での就労4割、それ以外は非正規、派遣、アルバイトが現状。(2011年度全国母子世帯調査)
 これらが教育の格差につながります。情報の格差も問題です。
 社会の仕組みを知らないために、ネットや間違った情報で損をしたり、請求できなかったりするケースもあります。

 多様化した現代では、一般的なおひとり様というくくりでは問題があまりにも複雑です。
だからこそオーダーメイドのご自分のライフプランが必要です。

 フャイナンシャルプランナーはご相談者の生活、経済状況、精神的な不安や将来の夢、希望に寄り添って、少しでも自分らしく充実した生活設計をたてることを仕事としています。
 専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

佐藤 房子 2017年05月30日