家庭経済の耳寄り情報

2018年09月20日

空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例について

 昨年10月29日に積水ハウスの主催セミナーで、空き家問題をテーマに講演の依頼があり、事前準備で目にしたのが、今回話題とする「空き家にかかる譲渡所得の特別控除の特例(3,000万円控除)」です。
 その後、私事で恐縮ですが、母が今年の1月に亡くなり、空き家となった実家の不動産売却を予定していますので、上記特例措置が適用になるか否かについて、税務署、横浜市建築局等に足を運び調査を行いましたので、参考までにご案内させていただきます。

1.制度の概要
 相続日から起算して3年を経過する日の属する12月31日までに、被相続人の居住の用に供している家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)又は取り壊した後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除する。

2.適用を受けるにあたってのポイント
① 相続日から起算して3年を経過する日の属する12月31日まで、かつ、特例の適用期間である平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡することが必要
② 相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていたものであること
③ 相続の開始の直前において当該被相続人以外に居住をしていた者がいなかったこと
④ 昭和56年5月31日以前に建築された家屋(マンションは除く)であること
⑤ 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供されていたことがないこと(相続した家屋を取り壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時から当該取り壊しの時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用、又は居住の用に供されていたことがないこと)
⑥ 譲渡価額が1億円以下

なお、不動産の譲渡所得については、今年中の譲渡については平成31年の確定申告時に申告納税するが、「被相続人居住用家屋等確認申請書」(上記適用条件に合致していることの証明書類)が必要ですので申し添えます。

佐藤 博信  2018年09月20日