家庭経済の耳寄り情報

2018年11月20日

~18歳はもう大人~

1、民法が改正され「2022年4月から18歳で成人」になることが決定した。
  今年中学3年生(14歳)、高校1年生(15歳)、高校2年生(16歳)
  が一緒に成人式を迎える面白い光景が見られるのだろう。

  20歳で成人になることは1876年(明治9年)に決められ140年も馴染
  んできた習慣だ。
  2007年に憲法改正準備として国民投票法が18歳から、2015年には選挙
  権が18歳からと定められ、成人年齢を18歳に引き下げる下地ができて
  いたといえる。

 ・18歳からできること  :結婚(男女とも)・ローン契約・クレジットカード作成
 ・18歳からできないこと :飲酒・喫煙・ギャンブル・競馬 (以上は20歳から)
 ・審議中のもの     少年法の適用 (現在は20歳未満)

2、アンケートによると「18歳で成人」に反対は50%以上ある、
  某進学高校のアンケートでも7割が18歳で大人になることに反対だそうだ。
  就職者が多い商業高校・工業高校では「18歳で成人」に賛成が多いようだ。
  職業に就く大人としての自覚と覚悟の差が表れている。

  反対の理由は大人では「18歳に変更するメリットがあるのか?」「若年者の
  金融トラブルが増す」というものだ。高校生の反対は「大人としての自信
  がない」であった。

3、世界の国186ヶ国中、162ヶ国が「成人年齢は18歳」からであり、
  日本の「20歳から成人」は高い方だ。成人年齢を20歳から18歳に引き
  下げた国は兵役・選挙権とのカラミで変更した国が多いようだ。

   個人的に弁護士や大学教授の意見を聞いたところ、30歳以上でも大人と
  しての対応ができない人もいるし、18歳でもチャンと対応できる人もいる。
  年齢の問題ではなく、大人としての自覚の差だ」「外国が18歳からできて、
  日本ができないことはない」という意見だった。

4、国や一部の自治体と一部の高校で「消費者問題・金融知識」を授業で取り
  あげている学校が出ているがまだ少数派である。 一方、20歳以上の若年者
  の「クレジットカードを作るだけで3万円稼げるというアルバイト詐欺」「クレ
  ジットカードを作るための名義貸し」による被害が増加しており、金融知識の
  ない18歳の高校生が詐欺にあう可能性が高い。

5、FPとして「高校生向け金融教育・消費者教育」はこれから注力すべき課題である。

鈴木 榮三郎 2018年11月20日