2019年03月30日
年代別生活設計と金融リテラシー
『金融リテラシー』とは、どの様なことでしょうか。それは、金融商品やサービスの選択、生活設計などで適切に判断するために、最低限身につけるべき金融や経済についての知識と判断力を総合したことを意味します。さらに、金融庁の「金融リテラシー・マップ」においては、この能力を「生活スキル」と位置づけています。
具体的には「家計管理」「生活設計」「金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択」「外部の知見の適切な活用」の4分野で15項目を提示しています。 家計の収支管理の習慣化や自分のライフプランに合った資金計画、経済情報の正しい理解や金融商品を取捨選択するスキルなどを挙げています。
これらについて、大まかに年代別に生活設計(ライフイベント)と留意事項を関連付けて考えてみましょう。
20~40代 就職、結婚、住宅購入等
手取り収入と生活、家計の管理に着手
年金・保険に関する知識の習得と貯蓄行動の基盤づくり
住宅購入の準備や金融商品の性質を理解し運用
50~60代 子どもの進学・結婚、親の介護、定年後の生活設計等
教育資金に関する情報と資金計画
ライフイベントと生命保険の見直し
収支の改善と、貯蓄や投資を通じて将来に向けての資産形成
70代~ 退職後の家計管理、資産寿命の延命化、リフォーム・終の棲家、相続等
ライフイベントは次々にあり、その時々にどうするかを決めていかなければなりません。従来と比較すると、長寿化、定年の延長、雇用形態の多様化等により、ライフイベントは生活環境の変化や多様化ともに益々複雑になってきました。
何も決めずに先送りすることも可能ですが、その先の生活は不安ではないでしょうか。一方では、今すぐにも取組みなさい、今決めなさいと言ったような不安を煽るような風潮もあります。例えば、「貯蓄から投資へ」「住宅購入は、今でしょう!」「年金だけでは、老後生活は十分ではない」等です。
こうした中、金融リテラシーを身につけておけば、冷静に判断できるのではないでしょうか? 基本になるのは、ライフプランニング、家計管理です。将来、どの様なイベントがあるのか、何に関心を持って過ごすのか、どの様に資金面で解決していくのかを予め予想して行くことです。各年代に応じた、金融経済情勢、金融知識と判断力を身に着けていくことが大切です。一朝一夕に身に着けることは、難しいですが、日頃の関心と蓄積が重要です。
《参考》
金融リテラシーMAP
http://www.shiruporuto.jp/teach/consumer/literacy/
CFP 多胡 藤夫 2019年03月30日