家庭経済の耳寄り情報

2019年06月10日

金融機関に勧められた投資信託を購入したら評価損に!

 銀行や証券会社で勧められた商品を購入したら、今は含み損になっている・・・という方は結構多いのではないでしょうか?

では、「何%の人が儲かっていて、何%の人は損をしているのか」このような情報は今まで開示されていなくて、その販売会社の中にいる一部の人だけが知っているという状況でした。
投資相談をするにしても、既に口座を開いている銀行や証券会社で相談して勧められた商品を購入するというのが一般的だと思います。
結果として現在評価損を抱えている人がかなり多いようです。

 従来の金融機関は自社の業績向上に繋がる商品を勧める傾向にあり、本当に顧客のための商品を勧めているのかが疑問視されていました。
金融庁では、家計の安定的な資産形成を実現するためには、金融機関が顧客本位の業務運営を行うことが重要である、との認識の下、監査などでも本当に顧客の利益を最優先するような営業をしているかどうかというような視点でチェックするようになってきています。

 本当に顧客志向で営業している金融機関は何処なのか。それがわかるようなデータ(下図)が公表されました。

 下図のグラフは細かくて不鮮明なので、以下のページにある「販売会社における比較可能な共通KPIの傾向分析」(金融庁発行)の 6ページをご覧ください。
 金融庁サイトへ

このデータを見ることによって、一般の人が投資するにあたって何処の金融機関に相談した方がいいのか判断する材料になります。
そのデータというのが各社を同じ条件で比較出来るようにした成果指標である共通KPI(key performance indicator) によって公開された金融機関ごとの「運用損益別顧客比率」というものです。

 これは、投資信託を保有している顧客について、基準日時点の保有投資信託に係る購入時以降の累積の運用損益(手数料控除後)を算出し、運用損益別に顧客比率を示した指標です。この指標を見ることによって何処の金融機関で買った人が儲かっている人が多いのかがわかります。

今年1月29日に公開された運用損益別顧客比率ランキング(儲かっている人の割合)上位3社を見ると、

1位 コモンズ投信 98%・・・ほとんどの人が儲かっている
2位 レオス・キャピタルワークス 91%
3位 セゾン投信 85%

この3社は共同で草食投資隊(短期的な売買をメインとして稼ごうとする肉食投資家に対する名称)と名乗って、資産形成には長期積立投資が有効だとするセミナーを開催したり、顧客と運用側が直接出会える場を提供したりして活動している会社です。
そのため、これらの会社の顧客の大半が長期積立投資をしています。

 これらの結果からも資産形成には長期積立投資が有効だということが実証されたかたちです。

図は不鮮明なので、以下の金融庁サイトの6ページを拡大してご覧ください。
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磯野 正美 2019年06月10日