2020年01月25日
インデックス投資信託のリターンは全て同じ?
昨年、「老後資金の2,000万円」問題が大きな反響を呼び、一時、資産運用セミナーはどこも大盛況となりました。 そしてこれを機に、「つみたてNISA」や「iDeCo」を始めた方も多いのではないかと思います。
老後資金の様な、「ゴールベース(生涯)の資産管理」における運用手法には、「長期・分散・積立」投資が適していることは、広く知れてきた感じがあります。 しかし、主な投資対象である投資信託の選択手法は、今一つ手薄になっているのではないでしょうか。 知らないで、コストの高い投資信託を選択し、販売側はリターンを確保できているのに、肝心の投資家は「マイナスリターン」に甘んじているケースが実に多く見受けられ、金融庁もこの点を非常に憂慮しています。
そこで、投資信託の選択の手法について、基本的な問題を2点取り上げてみたいと思います。
その第1は、「インデックス投信」と「アクティブ投信」との選択の問題です。
この点について、昨年興味深いデータを「QUICK資産運用研究所」が公表しています。 それによると、日本株、海外株、日本債券、外国債券、バランス型、のカテゴリーで「平均リターン」において「インデックス投信」の方が「アクティブ投信」を全て上回っていた点です。(2004年~2019年の15年間の実績)
第2は、同じ「インデックス投信」でも、「手数料」と「リターン」に差があることです。
これも前例に同じカテゴリー別に実績を調べてみると、全て、「手数料の安いインデックス投信」の方が、「手数料の高いインデックス投信」より、「過去3年間のリターン」が高く、その差は、ほぼ「手数料のコスト差」に比例していました。(SBI証券HPより筆者算出)
「インデックス投信」は指数(日経225やTOPIXなど)に連動する運用を目指す投信ですので、どの「インデックス投信」も「コスト」や「リターン」は同じ、と思っている人が多いかもしれませんが、現実はかなりの差があります。
老後資金の場合、運用期間が長期にわたるため、年間の少しのリターン差が結果的に大きな差となりかねません。 「長期・分散・積立」投資には、押さえるべき重要なポイントがいくつかありますので注意したいものです。
土井 健司 2020年01月25日