家庭経済の耳寄り情報

2020年02月10日

住宅取得

 昨年は老後資金2,000万円問題が社会問題になりましたね。
ライフスタイルは個人個人で様々であり、政府の調査データである国民の平均値に振り回される必要はありません。住宅取得にしても戸建てがいいのか、マンションがいいのか、そもそも賃貸か保有かなども議論の分かれるところでしょう。ただし、老後、持ち家が資産価値を維持していればいいですが、少子高齢化が急速に進む今、空き家問題やマンションの建て替え問題など資産価値がない住宅の処分が大きな問題になっています。住宅取得は人生に何回もない大きな買い物ですから老後の生活に役立つ、資産価値のある住宅(売却して介護施設に入居する資金にもなる)を手に入れましょう。

資産価値が落ちない家とはどんな家でしょうか。
新築、中古にかかわらず
 1.なんといっても駅近!
 2.立地適正化区域内
 3.ホームインスペクションで良コンディションの物件
これらの物件を見つけるためには自分の足と眼で時間をかけて探すしかありません。

 でも、一生に一度の買い物、人生100年時代の住まい探しにはそれだけの価値があります。
めでたく希望の物件が見つかったら、消費税アップ後の住宅取得の支援制度を利用しましょう。
消費税率引上げ後の住宅取得にメリット、4つの支援策があります。

消費税が上がりました。住宅関係の消費税を確認しましょう。

消費税がかかるもの 
 ・新築住宅
 ・仲介手数料
 ・不動産会社などの住宅事業者が販売する中古住宅など 
新しく家を建てたり、住宅事業者から新築・中古住宅を購入したりする場合は、建物に消費税がかかります。

消費税がかからないもの
 ・土地
 ・個人が売主の中古住宅
※中古住宅の取引で、個人の売主と買主を不動産会社が仲介する場合は、個人同士の取引になり、住宅価格に消費税はかかりません。

 消費税率引上げ後の住宅取得支援策として
(1)住宅ローン減税の拡充
 消費税率10%が適用される住宅の取得等をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に入居した場合は、控除期間がさらに3年間延長され、合計で13年間、住宅ローン控除を受けられます。
この場合、10年目までは従来どおり年末のローン残高の1%が控除され、11~13年目は「ローン残高の1%」または「建物購入価格×2%÷3年」のいずれか小さい額が各年控除されます。
延長された3年間で、最大、建物購入価格の消費税2%分が減税される計算になります。控除対象は借入限度額 4,000万円です。(新築の長期優良住宅、低炭素住宅では5,000万円)
個人間売買により中古住宅を取得した方等は
控除対象2,000万円  ローン残高1.0% 10年間控除
中古住宅の場合、築20年(マンションなどの場合は築25年)以下であるか、耐震性能を備えていること

(2)すまい給付金の拡充
 「すまい給付金」は、自分が住む住宅を取得した人に対して給付金が支払われる制度です。住宅ローンを利用しない方や、所得税の額が少ないなど住宅ローン減税のメリットが少ない方に対する支援です。
すまい給付金は、取得した住宅の持分をもつ人それぞれが受け取ることができます。例えば、夫と妻がそれぞれ持分割合を決めて住宅の所有者となっている場合は、夫も妻も給付金を受け取ることができます。
給付額は、「給付基礎額」に「持分割合」をかけた額になります。給付基礎額は、都道府県民税の所得割額によって決定され、所得割額が少ない人ほど給付額は高く設定されています。

給付基礎額:消費税率10%引上げ後、対象となる収入額(目安)が775万円以下まで引き上げられます。また、給付額も最大30万円から50万円に引き上げられます。
【中古住宅】の場合は 自らが居住する住宅で、売主が宅地建物取引業者であること、床面積が50平方メートル以上であることが条件です。
給付金を受け取るにはすまい給付金事務局に申請が必要です。申請期限は住宅の引渡しから1年3か月以内です。

(3)新設された「次世代住宅ポイント制度」
 次世代住宅ポイント制度の創設
消費税率10%が適用される新築やリフォームのうち、省エネ性、耐震性、バリアフリー性能など一定の性能をもつ住宅や、家事負担軽減に役立つ設備を設置した新築やリフォームに対して、新築は最大35万円相当、リフォームは最大30万円相当のポイントを付与するものです。
 2020年3月31日までに契約した方等が対象で、このポイントは、省エネ・環境配慮に優れたものや防災・健康・子育てに関連する商品と交換できる予定です。
以下のいずれかに適合する場合、1戸あたり30万ポイントが付与されます。
 ・エコ住宅(断熱等級4または一次エネルギー等級4を満たす住宅)
 ・長持ち住宅(劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2等を満たす住宅)
 ・耐震住宅(耐震等級2を満たす住宅または免震住宅)
 ・バリアフリー住宅(高齢者等配慮対策等級3を満たす住宅)
このほか、より高い性能を有する住宅(長期優良住宅等)の場合にはポイントが加算されます。

 住宅のリフォーム(貸家を含む)のポイント
発行ポイント数は、1戸あたり上限30万ポイント。ただし、若者・子育て世帯によるリフォームや一定の既存住宅の購入に伴うリフォームを行う場合には上限が引上げられます。
窓・ドアの断熱改修、外壁、屋根・天井又は床の断熱改修、エコ住宅設備の設置、耐震改修、バリアフリー改修
家事負担軽減に資する設備の設置にもポイントが付与されます。
若者・子育て世帯による既存住宅の購入に伴う一定規模以上のリフォーム工事など
取得したポイントは、以下のような商品に交換することができます。
省エネ・環境配慮に優れた商品、防災関連商品、健康関連商品、家事負担軽減に資する商品
子育て関連商品、地域振興に資する商品

(4)住宅取得等のための資金に係る贈与税非課税措置の拡充
父母や祖父母などの直系尊属から年間110万円を超える贈与を受ける場合、一般的に贈与税がかかりますが、住宅の新築・取得、リフォームなどを目的とした贈与の場合は、「贈与税非課税措置」を利用して税金の支払いを減らすことができます。
住宅取得などのために父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合を対象に、2021年12月31日まで、最大3,000万円の贈与が非課税になります。
要件は
自らが居住するための住宅であること、受贈者が20歳以上で、贈与年の合計所得金額が2,000万円以下であること、贈与者が父母・祖父母などの直系尊属であること、贈与年の翌年3月15日までに住宅の新築、取得または増改築をし、入居すること、床面積が50平方メートル以上240平方メートル以下であることなどです。
◎贈与税非課税措置は2021年12月31日までに契約した住宅が対象
詳しくは政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201902/2.html

大倉 和久 2020年02月10日