家庭経済の耳寄り情報

2020年10月10日

コロナ禍による収入減を切り抜けるための家計運営

 2020年は新型コロナウイルスの拡大により、例年とは違う年になりました。中には、仕事が減ってしまったことで収入が減少し、家計運営の方向転換を余儀なくされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでいま一度コロナ禍を切り抜けるための家計運営について考えてみたいと思います。

効果的な節約に目を向ける
 「家計が苦しい」「家計が思うように回らない」そんな時にまずすべきことは、現在の家計を整理することです。具体的には「家計簿をつけて支出を把握してみる」ことから始めてみて、次に支出を抑えるために「節約をする」という行動につながります。
 さて節約をするとなった場合、誤った節約行動に走らないように気を付けたいものです。節約といえば、食費を減らす、電気ガス水道を使わないようにして代金を抑える、ティッシュを使わないようにするといった、目の前の手っ取り早い節約行動に出がちですが、もっと効果的な方法に目を向けるべきです。
それらは以下のようなことです。
・スマホ代を見直す
・生命保険を見直す
・住宅ローンの借り換えを検討する
・使っていない固定電話の解約を検討する
・新聞購読や有料のメルマガ登録、動画配信サービスの契約などのサブスクリプションを見直す
・電気やガス会社を見直す
などが挙げられます。

 これらの見直しよる節約は、支出の抑制効果が大きく見込める上に、ストレスも少なくて済みます。ぜひ試してみてください。


貯蓄は無理をしないで収入を増やすことにも着目
 コロナ禍で収入が減ったことにより、今まで通り貯蓄ができなくなってしまった人もいるかもしれません。教育費や老後資金など先々のことも心配かもしれませんが、今は無理をしないというのも一つの方法でしょう。一方、少しでも貯蓄ができるのであれば、給与天引きや自動引落しでお金を貯める「先取り貯蓄」をおすすめします。先取り貯蓄をするのに適しているのは、財形貯蓄制度(勤務先を通じて加入できる貯蓄制度)や銀行の積立定期預金などです。このような仕組みを利用して確実に貯めて行きましょう。

 また、これを機に、収入を増やすことに着目してみてはいかがでしょうか。昨今は収入を増やすための選択肢が広がっています。「ポイ活」(クレジットカードなどのキャッシュレス決済でポイントを貯める活動)を始めることや、自分の資格や特技を活かして副業をすることなど、そのほか、フリマアプリを使って、家の不用品を売ってみるという方法もあります。フリマアプリで不用品が売れれば、収入も得られる上に家の中もすっきりする。まさに一挙両得です。
 コロナ禍による収入減を乗り切るには、一歩視野を広げてみることも大切です。ぜひ新しい家計運営を目指してみてください。

小澤 美奈子 2020年10月10日