家庭経済の耳寄り情報

2020年11月10日

住宅ローン(フラット35)完済年齢上昇

 最近、住宅を購入した方、又は近々購入しようと考えている方、万全の備えで志を実現しようとした、または、していると思います。大きな買い物ですから、災害マップも確認していることと思います。

住宅ローンを組む場合、何が最も重要かといえば、返済できないようなローンを組んではいけないということです。大きな買い物ですから、ローンの金額は大きくなるでしょう。基本は、住宅の必要を感じて理想に近い良い家を探すということでしょう。それでも自分の身の丈に合った物件が望ましいと思います。
それは、返済できる範囲での借入にするということです。借入額も少ない方が良いでしょうが、自己資金がどの程度あるかにもよります。

物件価格+諸費用=(借入額+頭金)+諸費用 諸費用は価格の5%とする。
(例)物件価格(4,000万円)+諸費用200万円=総住宅資金4,200万円

① 借入3,200万円+頭金800万円(20%)+諸費用200万円=4,200万円
  ここで、自己資金は、1,000万円

② 借入4,000万円+諸費用200万円=4,200万円
  ここで自己資金は、200万円

③ 借入4,200万円 自己資金は、0円

住宅金融公庫の時代は、①でしたが、景気対策などで②③と自己資金が少なくなる傾向にあります。借入過多の傾向があります。

また、借入期間も以前は木造であれば最高25年でしたが、現在はすべて最高35年返済です。
返済期間を長くすると返済額は軽減されます。しかし、なるべく多く借りられる環境になります。返済期間を60歳や65歳にすると返済額が大きくなり35年返済を選ぶ方が増えてきています。通常に返済できる方は無理して借入を大きく(より高額な物件)して返済期間を延ばす必要はありません。これも危険な借入過多を助長します。

10月5日に日本経済新聞に住宅ローン完済年齢上昇(フラット35)の記事が載りました。返済終了年齢が平均で73歳となり、年金生活が不安定になりかねないと記述されています。 
住宅ローンは、将来のライフプラン上、生活設計上、重要なイベントです。人生100年時代に突入している現在、住宅購入は、住宅の資金計画のみならず将来の老後も見据えたライフプランでなければならないでしょう。

佐藤 博明  2020年11月10日