家庭経済の耳寄り情報

2021年01月25日

投資には“生まれ・育ち”、“容姿・性別”や“学歴・職歴”は関係ない

 2020年はコロナで明け暮れた1年でした、今年も先行きが見えにくい。テレワークの浸透による働き方の変化。経済の落ち込みによる給与やボーナスのカット、さらには人員整理。将来に不安を持った 30歳代と40歳代のサラリーマンの方が “iDeCoとつみたてNISA”に新たな口座を設け投資を始めた。しかし人口に比べるとまだまだ少ない。

           2019年12月    2020年11月     2020年9月
iDeCo加入者総数     146万人   178万人22%アップ
つみたてNISA口座総数  189万口座             274万口座45%アップ
一般NISA口座総数   1,174万口座             1,209万口座 3%アップ

 投資は自分の好きな企業の株を誰でも自由に持てるという極めて平等な社会的システムだ。親からの莫大な相続遺産や、立派な学歴や誇るべき技術は持っていず、思いどおりの就職や転職ができなかったとしても落ち込むことは無い。自分の好きな会社の株は“少額”で誰でも持つことができる。そしてその投資で老後の生活が不安にならない程度の資産形成はできる。またそれはそれほど難しいことではない。例えば年収500万円の30歳のサラリーマンが月2.3万円を年3%で運用しながら60歳まで毎月iDeCoに拠出すると60歳で1,331万円を受け取れる。同じサラリ―マンが同時につみたてNISAを40歳から20年間毎月3万円を拠出し年3%で運用すると60歳で984万円をうけとれ、合計2,315万円になる。

 投資に必要なのはこれから社会に役立つ技術、システムを見極める能力と“長期・分散・積み立て”を継続する忍耐力だ。最近はやっているロボアドバイザーを利用すれば投資の能力も必要なく、お任せでその程度の資産形成は期待できる。

 生まれが良く、有名大学を卒業し、大手金融関係の会社で働くエリートサラリーマンや経済学者がかならずしも投資で成功しているわけではない。情報社会では、老後に必要とされる数千万円程度の資産を作るための世界の経済情報、世界の会社情報はインターネットにより無料で即時に取集できる。人生100年、普通の日本人が老後に不安を抱かなくてもよいように、万人に平等である投資にもっと目を向けることが日本を明るくする。

鈴木 榮三郎 2021年01月25日