家庭経済の耳寄り情報

2021年07月10日

退職後の健康保険

 勤労者の退職後の健康保険についてお話しいたします。
在職中は給料から使用者と折半で天引きされる健康保険ですが、退職後はいくつかの選択肢があることは、この家庭経済の耳より情報をお読みになる方には説明が不要かもしれません。

 今回お話しする制度は、あまり耳慣れない特例退職被保険者制度です。健康保険組合連合会健保ニュース2019年11月上旬号によると健保組合数は平成31年3月末時点で1391組合あり、特定健康保険組合数は61組合となっています。


平成26年11月に開催された第84回社会保障審議会医療保険部会資料1では
○ 健康保険組合のうち一定の要件を満たすものは、厚生労働大臣の認可を受けて、健康保険組合の被保険者であった退職者に対し、退職後も引き続き現役被保険者と同様の保険給付及び保健事業を行うことができる「特定健康保険組合」となることができる。
○ 特定健康保険組合制度は、昭和59年度に退職者医療制度が創設されたことに併せて創設された。

<特定健保組合の特徴>
① 特例退職被保険者(特定健保の被保険者)は、現役被保険者と同様の保険給付及び保健事業を引き続き受けることができる。
② 特例退職被保険者の保険料(※)は、全額自己負担。※ ただし、保険料算定の基礎となる標準報酬月額は、当該組合の標準報酬月額の平均と標準賞与額の平均の12分の1を合算した額の2分の1の範囲内で組合が規約で定める。
③ 健保組合にとっては、現役時代に組合の財政運営に寄与した者に対し、退職後、保険給付の必要性が増える時期に還元することができる。(企業にとっても、永年企業に貢献したOBに対し、報いることができる。)
④ 省略

○ 特定健康保険組合の組合数は、制度創設以降上昇傾向にあったが、平成9年から減少傾向で推移しており、平成24年度末時点で61組合となっている。
○ 特定健康保険組合の加入者数(特例退職被保険者とその被扶養者)は上昇傾向にあったが、近年は横ばいで推移しており、平成24年度末時点で約52万人である。


それでは、パナソニック健康保険組合の特例退職被保険者の加入条件を見てみましょう。(以下HPより抜粋)
次の3つの条件を同時に満たしていることが必要です。
ただし、加入条件を満たしたときから3カ月を過ぎてお申し出いただいた場合は加入できません。
【1】パナソニック健保・パナソニック関係会社連合健保の強制加入期間が通算20年(40歳以降10年)以上の人
※ただし、旧パナソニック連合健保の方は、2011/4/1合併時にパナソニック健保の在籍者に限る。
【2】老齢厚生年金の受給権のある人(報酬比例部分のみの受給でも可)
【3】日本国内に住民登録している人
(以下省略)
日立健康保険組合、ホンダ健康保険組合他の加入条件も確認したところほぼ同じ内容でした。言わずもがなですが、75歳以降は全員後期高齢者医療制度に加入となります。

兵賀 直俊 2021年07月10日