資産を運用する

家庭経済の耳より情報

2015年12月10日

年末まで、あとわずか。ドル建てMMFをお持ちの方はお急ぎを!

 既に春ごろに、耳より情報 平成28年1月から「債券・公社債投信の税制が変わります」でもご紹介されていますが、来年から「金融所得課税の一体化」により「上場株式・株式投資信託・公社債投資信託・公社債(債券)の税制統一」がされます。
下記のような立場の人が現在の有利な税制のうちに、対応出来る日は、あと少しの期間です。ギリギリ年末になんて考えていると時間切れということもあるかもしれません。
お取引の内容によっては、翌日や翌々日決済などのものもあるので、少し余裕を持って対応されることをお勧めします。

 この税制改正の中で、いますぐ対応した方がお得なのは為替レートが円高の時期にドル建MMFを購入された方です。
例えば、2010年や2011年頃に80円前後でドル建てMMFをお買いになって、今もそのまま持っていらっしゃる方もいると思います。
当時、80円にて100万円分(12,500ドル)ドル建てMMFを持っていたと仮定すると、現在は円安になっており仮に120円で計算すると12,500ドル×120円ということで150万円の評価額になっています。
これを年内に120円の為替レートで売却した場合の譲渡益50万円に対しては非課税です。
ところが、来年1月以降に同様に売却すると50万円の譲渡益に20.315%の源泉分離課税がかかり、約10万円の税金を納めることになります。
今後ともドル建てMMFを持ち続けたいと思うなら、一旦売却して翌日再度買い直しすることで、取得価格の為替レートはあらたに120円ということになりますので、80円から120円までの利益は無かったことにできます。
尚、一旦売却する際はドルで受取、そのままドルで翌日購入ということにしたほうが、円で受取って購入するより為替手数料の分お得になります。
私も、82円位で購入したドル建てMMFを11月に123円位で一旦売却して翌日買い戻しました。
私が取引したのはSBI証券でしたが電話で確認したところ、買い戻した時の為替レートはまだWEB画面からは確認できないようですが、当日のTTSで購入したことになるとのことです。
来年になったらWEBでも確認できるようにシステム対応されるようです。

 逆に新興国債券(ブラジルレアル・トルコリラ建てのソブリン債券等)で、為替差損を抱えている場合は年内売却しても損失確定するだけで何もメリットはありません。
それより年明け以降に売却することで他の株式等との損益計算対象(例えば株で50万円の利益が出て、新興国債券で50万円の損なら税金ゼロ)にできるのでお得となります。


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磯野 正美 2015年12月10日