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家庭経済の耳より情報

2016年01月20日

申年、相場格言から探る日本株式市場の行方

 年初からの株安が止まりません。東京株式市場では昨年末からの原油先物相場の安値更新、米国株価の下落、中国経済の悪化懸念、中東情勢の緊迫化を材料に株価は大幅下落の様相を呈しています。
本年は干支では「申年」です。相場格言では申年は「騒ぐ、騒がしい」といわれています。早くも騒がしい幕開けとなりました。

 さて、過去60年間の申年の相場展開はどうだったのでしょうか。
1956年は神武景気の中で年間騰落率は29.0%の上昇、1968年もいざなぎ景気のさなかで33.6%の上昇、1980年は第2次オイルショックがありましたが8.3%の上昇、1992年はバブル崩壊で26.4%の下落、2004年は米連銀が利上げに転換しましたが7.6%の上昇となりました。勝敗にすると4勝1敗となります。

 各申年の主な出来事も見てみると興味深いものがあります。
1956年は経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言されました。また、横浜、名古屋など5つの都市が初の政令指定都市となり、日本の国際連合加盟が決定されました。1968年を見てみると札幌医大で日本初の心臓移植手術が行われ、川端康成がノーベル文学賞を受賞しました。1980年はモスクワ五輪のボイコットがあり、大平正芳首相が急死し、初の衆参両院の同時選挙が行われ自民党が圧勝しました。また、巨人の王貞治選手が現役を引退したのもこの年でした、1992年は東海道新幹線に「のぞみ」が登場し、佐川急便献金疑惑事件で金丸信元副総理が議員辞職に追い込まれました。2004年は米国産牛肉輸入停止で吉野家が牛丼販売を中止し、またマグニチュード6.8の新潟県中越地震も起こりました。新札(千円札・5千円札・1万円札)の発行もありました。

 今年の株式市場はどうなるのでしょう。
相場変動の材料としては中国経済の減速・人民元安がどこで止まるか、また米国製造業の景況感の状態で米国金利の利上げのスピードがどうなるのか、また円安がピークアウトし円高に向かうのか、原油価格は底打ちするのか、それに伴いサウジアラビアなどの原油国の保有日本株の売却が止まるのか、新興国・資源国景気低迷に歯止めがかかるのか、中東情勢、北朝鮮の「核実験」等の地政学リスク等で騒がしい1年になりそうです。

はたして1992年の再来となるのでしょうか。

 (ウィキペディア、日経平均公式ガイドブックのデータを参照し作成)

金井 剛  2016年01月20日